新横浜ラーメン博物館


2012年8月5日

たまには横浜に行ってみようと思いまして
副都心線から東急東横線の客になりました。
といっても目的地がある訳じゃなくて
元町でも行ってみようか、と言う程度の
いつもの行き当たりばったりの町歩きなのであります。
電車の中で横浜のガイドブックを見ていた家人と
横浜のラーメン博物館というのが面白そうだと言うことになって
そちらに行くことにしました。
駅から徒歩3分とか言うしアクセスも良さそうです。
ちょうどお昼頃横浜に着く時間ですからそこでお昼にしましょう、わーい。
そう考えるとどんどんお腹が空いてくるのでした。

それで急遽横浜駅に降りた僕たちは衝撃の事実を知ります。
なんと横浜駅近くに横浜ラーメン博物館というのはなくて
かわりにかわりにじゃないよ
新横浜駅の近くに新横浜ラーメン博物館という施設があるのです。
当てが外れた僕たちは大変狼狽しました。
近くのレストランで代わりにステーキとか鰻とか鮨とか食べようかとも思いましたが
お腹はすでにラーメンを受け入れる準備が出来ています。
代わりの食べ物がどんなに高級な物でもお腹が納得しません。
いや、そんなこと無いと思うけど。そうなの!

それで仕方がないので電車に乗って新横浜まで足を伸ばすことにしました。
新横浜という駅は新幹線で通過する駅だと思っていましたので
JRの在来線で行くのは新鮮でしたね。
行ってみるとそれはそれは大きな新幹線の駅なのでありました。
ゴロゴロスーツケースを持った旅行者や
家族連れの旅行者、外国人の旅行者が大勢歩いていて東京駅さながらです。

そんな旅行者でごった返す新横浜の駅を後にして
数分歩くと目指す新横浜ラーメン博物館に到達します。
実は場所がわかりにくくて駅の案内所で聞いたんですけどね。

遂にやってきました、憧れの新横浜ラーメン博物館。
ラーメン博物館は基本的にテーマパークですので
入場料がかかりますけど駅の案内所でもらった割引券で少し安くなります。
入場券売り場はすいているように見えますけど(実際すいてるし)
中のラーメン屋さんはどこの店も長い列が出来ていました。
10分や20分は待つのが当たり前でした。
美味しいラーメンのためなら仕方のないことです。


昭和30年代にタイムスリップしたような路地。
ドアの脇の牛乳箱や地面に書かれた女の子の遊びの石蹴り(ケンケンパ)の輪、
頼りないガラス戸、どれを見ても懐かしい想いです。

食堂街は二層になっていて広場が吹き抜けです。
広場に面したラーメン店とそれを取り囲む二階部分の裏側の
路地に面したラーメン屋さんから成り立っています。
どの店も長蛇の列でして参加しているラーメン店のレベルの高さを示しています。
併せて建築物から小物に至るまで細部のレトロ色が良くでていて感心します。
小生のような年代の者はちょうどこの昭和30年代に子供でしたので
よくわかるぶん時代考証のレベルの高さに舌を巻きます。

或る店の前に下げられていた電灯は電線が途中で何度も分岐させられていて
でもどうやら使わなくなった枝の電線は
ビニールテープで巻かれていて軽く感電を防いでいて
その電灯のスイッチは雨樋(!)にくくりつけられて手元に伸びているという具合です。
漏電停電が起きなければ不思議という危険な配線です。
もちろん安全を確保した上で時代を表現している設計の工夫ですね。
この時代の貧しいながらもエネルギッシュに前向きだった様子を表しています。
二度とあんな暮らしには戻りたくないけれど懐かしい時代です。


レトロ色たっぷりの異空間。
ラーメン店が並んでいるだけじゃなくて多くの建物や看板が時代を感じさせてくれます。
洋装店や理髪店、内科小児科の医院、鉄道の切符売り場、バーなどが軒を連ねていて
ところどころにスクーターが置いてあったり古い電話ボックスがあったりします。

ラーメン店の食卓も昭和30年代です。やかんの中の水は現代のとびきり美味しい水でした。
やっと店内の入って水を飲んで一息つきます。
店内は家族連れや若いカップルでいっぱいでした。
店の外には待ってる人の列があるし急いで食べなくちゃ。
ラーメン人気恐るべしです。


僕たちが食べたかもめ食堂さん。気仙沼のラーメンだそうです。美味しかったです。

この上の階にはラーメンの歴史などを展示したラーメン博物館があります。
施設の名称からしたらそちらが本体なのでしょうがお客さんはラーメン屋さんが好きみたいです。

美味しいラーメンをいただいて博物館を見学してすっかり満足した僕たちは
横浜まで帰って高島屋で江戸清の肉まんを買って新宿湘南ラインで帰路についたのでありました。
今回は新横浜ラーメン博物館のおかげで楽しい日曜日を過ごせたのであります。

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