宇都宮



2008年10月12日


宇都宮
栃木県の県庁所在地は宇都宮です。
別に栃木市がありますので不思議な感じもしますが
もともと宇都宮を県庁所在地とする宇都宮県と
栃木を県庁所在地とする栃木県が合併する際に
県都を宇都宮にする代わりに
栃木の名前を県名にしたという話を聞きました。
ありそうな話ですね。

その栃木市には2006年5月に行きましたので
今度は宇都宮市に遊んでみることにしました。

今回は遠出ですので珍しく朝が早い出発です。
何時ですか?
えへん、朝9時には家を出たんですよ!すごいでしょ。
ああ、すごいすごい、えらいね。

宇都宮って大宮から電車で一本なんですよね。
行きやすいんでびっくりしました。

宇都宮の駅は大きくてこれにもびっくりです。

乗降客でにぎわう宇都宮駅
乗降客が大変多くてこれなら秩父の時みたいに
電車が行ってしまったからといって
改札口が閉められてしまうことはなさそうです。
なにせ新幹線が通っているくらいですからね。
駅ビルにも沢山の土産物屋さんがあってお客さんで一杯です。
駅を出て振り返ると駅舎も巨大で威風堂々です。

駅周辺も非常に整備されて美しい町並みになっています。この下に道路があります。

手元のガイドブックで分からないところも多かったので
駅の中にあった観光案内所のおねえさんに
「市内の地図はありますか?」
「循環バス『きぶな』はどこを走りますか?」
「大谷資料館はどうすれば行けますか?」
と聞いてみます。
最近おじさんは少し図々しくなりました。

案内所のお嬢さんは無知な小生の質問に
根気よくかつ手際よく答えてくれて
近隣に地図と市内の地図をくれたうえ
バスの時間まで地図に書き込んでくれました。
「宇都宮の市内は循環バスが走っていますが
大谷資料館は遠いので路線バスで行くのです。
45番路線立岩行きですよ。
ここに利用しそうな時間のバスの時刻を書いておきます」
立て板に水です。
これが実に参考になったのでした。
宇都宮の観光案内所、レベル高いです。

僕たちはお昼ご飯をガイドブックで見た
県庁そばのレストランでとることにして
大通りを西に進みました。
すると二荒山神社(ふたらやまじんじゃ)という
大変大きな神社にさしかかりました。
この日はたまたま祭礼が行われていて
大勢の祭り装束の人たちと見物客でごった返していて
神社に近づくことは出来ませんでした。

参道の階段、長すぎでしょ。画面中央の山車がこれからあの階段を上るんでしょうね。すごいなあ。
この神社はかって「下野一の宮」と呼ばれ
これが「宇都宮」の地名の由来とも
言われているのだそうです。
後で調べたらこのときの祭礼は
神社の大鳥居竣工落成式だったのだそうです。
僕たちはそれと知らずお祭りに出くわしたわけですね。
思いがけずお祭りを見られてラッキーでした。

さらに進むとマロニエ通りと呼ばれる県庁前の道があります。

おしゃれなマロニエ通り。
マロニエの木というのは「栃の木」のことなのだそうですね。
栃木県の県名を表していたのですね。
よく見ると市内のあちこちにマロニエの名を冠した
お店や企業が見られます。
そうだったのかと納得しました。

ここを右折して栃木県総合文化センターの中に
目指すレストラン「オーベルジュ・デ・マロニエ」があります。
ここでリーゾナブルなお値段の
ランチをいただいてお腹がいっぱい、
いよいよ大谷資料館に向かいます。

県庁前のマロニエの並木道を出たところで
路線バスにのってしばらく走ると
大谷資料館の近くまで行きます。
ここで僕たちは大谷観音と
平和観音を見ていくことにしました。
大谷観音は千手観音の形の
810年弘法大師の作といわれる非常に古い石仏ですが
平和観音は昭和29年完成のまだ新しい石仏です。
ただ非常に巨大でその高さは
約27メートルと言うから大したものです。

巨大な平和観音。あの向こうに大谷観音の社があります。
階段で背中側に上れるように
なっていましたので登ってみました。
下を見ると初老のご婦人が
観音様に手を合わせているのが見えました。
そうか、この石像は観音様だったんだ。
巨大観音像の背中ではしゃいでいた僕は
この像が仏像であることをすっかり忘れていたのでした。
やっぱり像の前に賽銭箱がないせいですかね、うん。

平和観音から下に降りて後ろの道に回り込むと
いよいよ大谷寺の大谷観音拝観です。

この山門を通りかかった男の子が阿吽二体の金剛力士像を見て
「鬼だ」って言っていました。いやいや「おに」じゃないでしょ、むしろ「にお」でしょう。

こちらは大変貴重な磨崖仏です。
岩肌を掘り進めたレリーフのような作りですが
ほぼ掘り出してある感じですね。
当初は漆を塗って金箔を貼っていたそうですが
火災などの影響で表面は剥がれて
今はほぼ全部岩肌の千手観音像です。

大谷寺を抱くようにして背後に控える小山は
御止山(おとめやま)と言うのだそうで
若い女性を表す乙女とは意味が違うのだそうです。
大谷寺はほかに宝物館と奥に小規模な墓地がありました。
墓地には真新しい墓石で「天草四郎時貞」の墓があり
大変驚きました。

天草四郎時貞の墓
墓石によると建立者は天草四郎の末裔で
この地に長く住む一族であるらしいです。
すごいです。

大谷寺を出て少し歩くと目指す大谷資料館が近づいてきます。
長い進入路を上ると広々とした駐車場に出ます。
砂利を敷いた広場で駐車の目安の線も引いてありません。
みんな何となく車を並べています。

大谷資料館はあんまり豪華な建物ではありませんでした。
昔の採掘の道具などを展示した小規模な資料館です。

ひっそりとした大谷資料館。
しかしそれは世を忍ぶ仮の姿、その正体は地下に続く
旧採掘場内部の入り口だったのです。
アルミサッシのドアを抜けると
ひんやりとした空気が僕たちを包みます。
見学者はここから階段を下りて深い地の底に降りていくのです。
内部はうっすらとした明かりで照らされるのみで
足下も良くは見えません。
なんだか少しぬかるんでいるのは分かります。
幸い見学者は大勢でしたので寂しさはありませんでした。

巨大地下空間
しかし地下の石切場の高い天井と
ひんやりした空気、響く人の声が
どれもこれも恐ろしげな迫力を持っています。
まるでインディジョーンズの映画に出てきそうな
エジプト遺跡みたいなんです。
一人だったら来たくないかも。

採掘場内部の見学を終えて地上に戻った頃には
僕たちはもうすっかり疲れていました。
資料館を出たところにちょうど良い具合に喫茶店がありました。
ここでコーヒーとトーストを頂いて元気を取り戻します。
少し休んだら元気になりました。
単純な体で助かります。

調べておいたバスの時刻に合わせてバス停に向かいます。
首尾良くバスに乗って
うとうとしていたら宇都宮市内に到着しました。
バス、すごい。

この後は大谷石による建築で有名な松が峰教会を見る計画です。
地図を頼りにうろうろ探していたら
思いがけず立派なアーケードがありました。

開放感のある高い屋根がアーケードの格を高めていますね。オリオン通りというのだそうです。
お客さんも一杯の元気なアーケードでありました。
アーケードの一角で果物を売っていたお兄さんに
松が峰教会の場所を教えて貰って無事に到着しました。
松が峰教会は材料のほとんどが大谷石で出来ている有名な教会です。
期待を裏切らない素晴らしい建築で
まるでそこだけ欧米の街角のようでした。

洋風なカトリック教会。当たり前ですね。

僕たちは今回このあと
市内循環バス「きぶな」に乗るつもりだったのですが
これ以上遊んでいると家に帰るのが遅くなってしまいそうでしたので
きぶなは割愛して次の機会に譲ることにしました。

それよりも餃子です。
途中で餃子パイを買いましたがそれはお菓子ですからおかずにはなりません。

おいしい餃子パイ
「餃子を買って帰るから今夜は餃子だよ」って宣言してあるので
どうしても美味しそうな餃子を買って帰らなくてはなりません。
それでいくつもの餃子屋さんが
入っているという「来らっせ」と言う店に行ってみました。
お店の前には長蛇の列で驚きました。
さすが宇都宮の餃子は人気があるんですね。
店内に噂の「餃子像」を見つけました。

会いたかったよ餃子像
この像はどうやらレプリカでありまして
本物は宇都宮駅の東口にあるらしいのですね。
今度行ったら見ておきたいと思います。
ところで来らっせさんの販売コーナーは
いくつもの餃子が売り切れで餃子を買えませんでした。
駅に戻ると駅の売店が充実していてここで餃子を二種類購入、
これを我が家へのお土産としたのでした。

まっすぐ家に帰って到着は夜の7時でした。
10時間の外出は久し振りのことです。
やっぱり昔より年をとりましたね、くたくたになりました。

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