目黒界隈徘徊




2004年11月11日


大円寺と雅叙園
小生は未だ目黒界隈を散策したことが無くて
いずれ機会を見てと思いながらこの年になってしまいました。
小さいときから落語が好きだったので目黒と言えば
「目黒のサンマ」を思い出す程度で
およそ見当はずれの認識であります。
思い立って今回は少し目黒を歩くことにしました。
ほんの少しだけです、ご容赦を。

簡単に言えば
「千と千尋の神隠し」の湯屋のモデルにもなったという
目黒雅叙園を見学しようと言うわけですね。
JR山手線の目黒駅を降りて西側に出ます。
行人坂を下って雅叙園に向かう途中
あの有名なホリプロの社屋を見ました。
意外に小さい印象です。

                                意外に小さいホリプロ本社ビル
それともどこかほかの所にもっと大きい社屋を構えているのでしょうか?

行人坂の途中に
大円寺という興味深いお寺をお見かけしました。
大円寺開祖の大海法師が修験道行人派だったため
ここの坂を行人坂と呼んだそうです。
明和9年この寺より出火した大火がありこのときの死者を弔う
500羅漢が境内にあります。

左端の方には水子を供養するための小さな石仏も沢山並んでいました

ここを出て更に坂を下るといよいよ目指す目黒雅叙園です。
目黒雅叙園はさすがの壮麗な建物に入る前からびっくりです。

普段物事を気にしない小生も今朝髭を剃り忘れたのが気になるほどの格式です
結婚式が多いらしくて礼装の老若男女が大勢出入りしています。
玄関付近にお七の井戸がありまして
これは娘の恋路を邪魔しちゃいけないと言う暗示でしょうか。

お七の井戸
目黒雅叙園は中に入ってみると壮麗な外観に負けない
豪華な内装で有りまして
大胆な吹き抜けと建物内建物が不思議な仮想屋外を作っています。

屋内なのに屋外

その建物の内装がなんと言いますか
普通とはちょっと違う感じの豪華さなのであります。
はっきり言って趣味が悪いんですね。
柱と床と天井の飾り物のバランスが悪いんです。
それでいて一つ一つには安っぽさを感じないんですね。
趣味が悪いなりに作者の目指す豪華さがわかるような気がします。
品物がよいから雑然とした内装が豪華に見えるわけですね。
どこかに和風バロックと書いてありましたが
まったくその通りなのであります。
思うにこれは明治初期の貴族趣味の和洋折衷なのですね。

雅叙園ワールドへようこそ
それにしてもバロックもここまで来ると本物でありまして
それはそれは格式高い雰囲気を醸し出しています。
その格式が結婚式を執り行うのにちょうど良い訳なんですね。
雅叙園の廊下を純白のウエディングドレスをまとった新婦さんがしずしずと歩く様子は
いつか見た映画の一コマのようで素晴らしいものがあります。

幸い館内見学中にお昼時になりましたので
ランチを食べてみることにいたしまして
ステーキハウス「ハマ」に入りました。
ステーキハウス「ハマ」はいわゆる鉄板焼ステーキのお店でありまして
客の目の前でコックさんが肉を焼いて見せてくれます。
目の前で人が見ているやりにくさにもめげずに
非常に手際よくお肉を焼き上げるコックさんに感心しながら
おいしいおいしい焼き肉を堪能したのでありました。

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2004年11月11日


五百羅漢寺から目黒不動尊へ
焼き肉を食べてお腹がいっぱいになった僕たちは
雅叙園の内装にも圧倒されてしまって
気分的にもお腹いっぱいだったのですが
せっかく来た目黒界隈でありますので
もう少しあたりを散策しようと言うことになりまして
天恩山五百羅漢寺に行ってみることにしました。

由緒正しい五百羅漢寺
五百羅漢寺はもとは本所にあった物が二度移転し
明治の後期に現在の場所になったそうです。
その名の通り多数の羅漢像が展示されて有名らしいです。
僕は知りませんでしたけど。
元禄時代に浄財で彫られた500体以上の羅漢様は
現在は305体を残すのみだそうです。
その一体一体に名前とありがたい教えがついていて
見るものを引き込みます。

今にもしゃべり出しそうな仏像群、黒いけど
どの像も表情が皆違うのは見ていて圧巻であります。
すばらしい彫像群であります。

展示コーナーの最後に無人の売店がありました。
ここでは本や根付けなどを販売していますが
売り子が不在でした。
商品を購入する方は商品を持って
帰りがけに社務所にお寄り下さいとの表示がありました。
なんとおおらかな売店でしょうか。
こちらに参拝する善男善女においては
黙って商品を持ち帰る不届き者はいないと言うことなのでしょうか。
凄いですね。
僕はここで三玉そろばんという根付けを一つ買いました。

四と九が無い算盤なのだそうです
なるほど。

その後近くに目黒不動尊が有るのでこちらにも寄り込むことにしました。
ここは浅草の浅草寺と並んで古くからの庶民に信仰されるお寺だったそうです。
さすがに庶民に信仰されるだけあってお寺の規模は大きくて
山門を入ったところに広々境内が広がり
本堂に向かう階段の右側に
小さな池があってそこにみずかけ不動と言われる不動明王がありました。
本堂に参拝して色々よろしくというお不動様も困ってしまいそうな
漠然としたお願いをしたのでありました。
普段からお願いしたいことが多すぎるのも困ったものであります。

ちょうどシーズンの七五三の家族も散見しました。
きれいな着物を着た可愛いお人形さんのような女の子とその両親が
境内のあちこちで記念写真を撮っています。

まだ小さい女の子が着物を着て嬉しそうでした
あの子達もいずれは雅叙園で結婚式を挙げて
お嫁に行ってしまうのでしょうね。
そのときには泣いてしまいそうなお父さんが沢山いました。
女の子の父親でなくて良かったです。

本道の裏に回ると大日如来の座像がありました。
このような屋外の大日如来像は大変珍しいそうです。

大日如来像、大日如来ですから如来なのに飾り物をつけていますね
目黒不動尊を後にして小道に迷いながらどうやら不動前駅に到着しました。
ここから南北線で飯田橋まで出て有楽町線に乗り換えて
家路についたのでした。

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