鎌倉から逗子へ




2004年07月18日


鎌倉から逗子へ
最初は箱根に行こうと思っていたんです。
連休の初日を利用しての日帰り旅行に出かけようというわけです。
以前に利用したロマンスカーにでも乗って
(混んでたら普通電車でもいいやって思っていたんです)
箱根湯本に出て箱根登山鉄道に乗って強羅に行ったあと
強羅の町を散策しようという計画ですね。
僕は未だ強羅に入ったことがなかったのでとても楽しみでした。
強羅でいくつかおみやげでも買って
しかるのちケーブルカー、ロープウェーと乗り継いで芦ノ湖畔に到着
遊覧船に乗って箱根町に出て東京方面に帰って来るという
完璧な計画だったのです。

しかし僕たちの完璧な計画は新宿の小田急線乗り場で挫折しました。
何でも箱根湯本の手前の区間で朝から電源事故が起きているそうで
復旧の見通しは立たず現在全線止まっているというのです。

僕たちは困ってしまいました。
だってもう箱根に行くつもりでここまで来てしまったんですから
行けませんって言われたってねぇ。
でも電車が動いてないのでは仕方がありませんですね。
ここで僕らがとれる行動は二種類ですね。
家に帰るかどこかほかのところに行くかですね。

それで僕たちは鎌倉に足をのばすことにしました。
鎌倉はすでに何回かは行っていますが
材木座方面は未だ未踏ですので
今回はそちらの方を少し歩いてみようと言うわけですね。

まずは小田急線を使って藤沢まで乗っていくことにしました。
藤沢から江ノ電を利用して鎌倉に帰って来るというコースですね。
小田急線で藤沢まで行くコースは思いの外遠かったですね。
でも途中駅が経堂とか狛江とか
僕の好きな街が多くて楽しかったです。
経堂には兄の通っていた大学があって何回か降りたことがあるし
狛江には筆者の姉が住んでいるんですね。

                                              最新型江ノ電
江ノ電は大好きな線ですのでまた機会があったら乗ってみたかったんです。
思いがけずに江ノ電に乗れてこれもまたよしというわけですね。
江ノ電藤沢駅は数年前に来たときと変わっていませんでした。
少しおなかがすいたので何か食べようと思ったのですが
試しに入ったファーストフードの店内はたばこの煙でいっぱいで
とても耐えられないものでした。
僕たちはここはあきらめて鎌倉の街でお茶を飲むことにしたのでした。

久しぶりに乗った江ノ電は海の日がらみの連休の初日だけあって
海水浴客と思しき人たちも混じって
リゾート気分満点の電車になっていました。
暑かったし。

                              なんだかうきうきリゾート列車。2両だけど
途中腰越から鎌倉高校前に抜けるあたりで
車窓から見えた日射しの照りつける海の風景は非常に魅力的で
思わず自分もあの海で遊んでいこうかと考えるほどです。
考えてみると僕はもう10年ほど海で遊んではいません。
10年ほど前にひどい日焼けで苦しんで以来
海には入らなくなってしまいました。
子供の頃は毎年の海水浴が大好きでしたのに
40歳を過ぎた頃から海が苦手になってしまいました。

残念ながら楽しむべき時期を逃すと楽しめなくなってしまうんですね。
今楽しいと感じることは今楽しむべきだということですね。
刹那主義?

以前江ノ電に乗ったときは江ノ島で降りて海岸を歩いたり
長谷で降りて長谷寺に参詣したりしましたが
今回は途中下車はしなくて鎌倉駅まで乗っていきました。
     
江ノ電鎌倉駅で江ノ電のおもちゃを一つ買いました

鎌倉駅で降りて駅前の喫茶店「ヲガタ」さんで
コーヒーを飲んでケーキを食べました。
おいしかったです、かなり。

                                 「ヲガタ」さんから見た江ノ電鎌倉駅
おいしいケーキを食べて元気が出た僕たちは
鎌倉駅北側のトンネルをくぐって鳩サブレのお店の前に出ます。
このあたりは小町通りの入り口ですね。
ここから駅前を抜けて若宮大路に出て海岸に向かいます。
材木座海岸を経て光明寺、九品寺を見ていこうというわけですね。

材木座海岸はさすがに海の日連休だけあって
海水浴客であふれていました。

                                         海水浴場、材木座海岸

途中から道を渡って海から離れて光明寺に向かいます。
光明寺は思いの外大きいお寺でして
靴を脱いでお堂にあがれるのもうれしい配慮です。

                                 何より拝観料無料がうれしいですね
お賽銭を少々上げさせていただきました。
ついでにサマージャンボ当たりますようにってお願いしちゃいましたが
ちょっと欲張りだったかも、ですね。
そこを何とかお願いします

そのあと九品寺に行ってみました。
ご存じのように阿弥陀如来の印の結び方に
上品上生から下品下生まで九種類の印相があるわけですね。
上品上生、上品中性、上品下生、中品上生、・・・という具合ですね。
それでこの九種類の印相をそれぞれに結んだ九体の阿弥陀仏を
九品仏というわけですね。
世田谷区にある浄真寺というところが有名だそうです。

無知な僕は鎌倉のこのお寺、九品寺も
九品仏をまつってあるのではないかと以前から興味があったのです。

境内に入ってお堂の中をのぞいてみましたが九品仏は見あたりませんでした。残念であります

ところで僕たちはお昼の心配をしなくてはいけません。
突然の計画変更で鎌倉を歩いている僕たちは
お昼のことは考えていませんでしたが
こうして歩き回っているとお腹が空いてくるので
考えないわけにはいきませんですね。
ここで家内が画期的な案を出しました。
鎌倉を離れて逗子でお昼を食べようと言うのです。
と言うのもさっきから僕らの歩いている道路には
何本も何本も逗子行きのバスが走っているのです。

逗子の街から少し行った海に面したところの
葉山マリーナの近くに「ラ・マーレ・ド・チャヤ」と言う
知る人ぞ知る有名なフランス料理店があるのです。

                                   あこがれの「ラマーレ・ド・チャヤ」
すぐ近くには「日影茶屋」という本家の和食店もあります。
この二店はふつう予約なしでは入れない人気店です。

しかし僕たちのように遠くに住んでいると
なかなか予約をしておいてここまで来るのは困難ですよね。
早すぎたり間に合わなかったりする心配が大きすぎます。
20年前に一度だけこの店の一階でグラタンを食べたことがあって
それがひどくおいしかったのを覚えています。
いつかそのうちにまたこのお店に来たいものだと思っていましたが
予約がネックになって今までここに来ることはありませんでした。

今回はどうせ予定からはずれた気ままな二人旅ですから
飛び込みでこのお店まで行ってみました。
断られたら縁がなかったものとあきらめて
またの機会をうかがうことにして
とにかく行ってみようと言うことになったのです。

逗子駅で乗ったタクシーの運転手氏は
スキンヘッドの海坊主体型の強面さんでした。
けれども僕たちが「チャヤ」を目ざしていると聞いて
「あそこは予約してないと入れないよ」と
親切にすぐ近くの別の店に案内してくれました。

僕たちはその親切はありがたかったのですが
だめもとで「ラ・マーレ・ド・チャヤ」に行ってみました。
そうしたらラッキーなことにランチの席が二人分用意されたのです。
これは嬉しかったですね。
無理だと思っていましたので今回一番のヒットでありました。

   言うまでもなくランチは大変おいしかったです。また機会を見て行きたいものであります

おいしいランチのあとは葉山マリーナのヨットなどを眺めて
クラブハウスを冷やかしてひとときのお金持ち気分です。
それにしてもあのような巨大なヨットを
所有して維持している人たちってどんな人たちなんでしょうね。
船も高価だし維持費だって目が飛び出るほどだと聞いていますけど
あるところにはあるものなんですね。

ところで僕たちはいよいよ帰らなくてはなりませんので
レストラン近くのバス停まで戻ります。
僕らがバス停に戻る頃ちょうど一台バスがでるところでした。
さすが海の日連休らしくバスはもう満員でこれ以上乗れそうもありません。
僕たちはこの便はあきらめて「チャヤ」が経営しているお菓子屋さんで
クッキーなどを買い込んで次の便を待ちました。

そうしたら次のバスは大幅に遅れましたですね。
道はさっきから渋滞気味なので仕方がないのですが
バス停にはどんどん人がたまるし
さっきのバスの混雑ぶりからすると
次のバスだって乗れるかどうか怪しいくらいです。
そこはかとない不安を感じながらバスを待っていると
予定より15分ほど遅れてバスが現れました。

バス停のみんなは歓声を上げてバスを迎えましたが
なんとバスは僕たちお客を無視して
長い間待っていた僕たちお客を無視して

バス停を通り過ぎてしまったのです。

見るとバスの中はもう満員で
これ以上人が乗るのはかなり大変そうではありました。
それにしてもバスの乗車拒否は初めて見ましたですね。
それも一度止まって
「もう乗れません」と言うのならともかく
端から止まりもしないんですからね。
驚きましたですね。

僕たちはちょっと困りました。
次のバスを待つのか別の方法を考えるのかですね。
この混雑ですから次のバスにだって乗れるとは限りません。
かといってタクシーも捕まりそうもありません。
歩くにも土地勘がありません。

しばらく考えましたが歩くことにしました。
ランチで摂りすぎたカロリーを消費することにしたんです。
やっぱりお腹がいっぱいだとポジティブシンキングになりますね。
さっきタクシーで来たとき見たような風景をなぞりながら
どうやら逗子駅にたどり着いたときはさすがにくたくたになっていました。
人間窮すれば何とかなるものですね。

                                   逗子駅は案外大きい駅でしたね
JR逗子駅からはいろいろな行き先の電車が走っていました。
僕たちは目の前に止まった「千葉行き」というのに
飛び乗って品川まで座ってゆくことが出来ました。
座ったときは少し堅く感じた座席も
すぐに寝心地のよい座席に感じられて
うとうとと品川駅までを楽しんだのでありました。

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