山梨勝沼ワイン旅



2007年09月30日


山梨勝沼ワイン旅
山梨県の甲府盆地は扇状地でありますので
水はけが良くて果樹の栽培に適していると聞きます。
そのため桃やブドウの産地として名を馳せていますね。
さらに葡萄から葡萄酒を作って全国に販売しているという訳ですね。
日本を代表するワインの産地なのですね。

そのワインの産地を見学してみようと思い立ちまして
山梨に向かう列車を下調べしてみましたところ
宇都宮から甲府に向かう「快速お座敷甲州ぶどう狩り号」という
一日に一往復の特別列車を見つけました。
この列車は9月29、30日、10月6〜8日の
わずか5日間しか走らない列車なんですね。
面白そうじゃないですか。
僕たちはこれに乗ってワインの国に遊ぶことにして
9月30日の日曜日の便を予約したのでありました。
メンバーは僕たち夫婦と長男の3人です。
次男は本人辞退で今回は参加しませんでした。
なぜなんだろう。

当日は朝からの冷たい雨で思わず気持ちがくじけそうになりました。
こんな日は自分の部屋でのんびりとビデオでも見て過ごしたいものですね。
だいいちまだ眠いしもう一眠りしたらどんなに気持ちがよいことでしょう。
行かない予定の次男がうらやましくなります。
しかし僕たちは既に列車を予約しています。
当日朝からチケットをキャンセルしても返金はほぼ期待できません。
せっかく取った切符ですから無駄にする気にはなれませんですね。
電車の出発時刻は僕たちにとっては必要以上に速くて7:39発の列車です。
そのため我が家を7:15出発に出なくてはなりません。 
次男に駅まで送ってもらって15分ほど待ったら列車が来ました。

来た列車は紫色の豪華な感じの列車でした。

これは結構凄くかっこいいんじゃないでしょうか。
お座敷列車ってどんな感じなのかなって思っていましたが
六人ごとの向き合う形の掘りごたつ形式でした。
足がおろせるので楽なんですが
普通の座席の方が快適なような気もします。

面白いんですけど一度でいいかなって思いますですね。

行きのお座敷列車はすいていました。
僕らの乗った車両は我々と中年の女性客一人しかいなくて閑散としています。
途中から女性が降りてからは
車両は全く我々の貸し切り状態になってしまいました。
おかげで凄く気楽な気分になれました。

しかし列車内の様子が乗るまで分からなかったために
飲み物を買わないで乗車してしまったのは失敗でした。
車内に自動販売機くらいおいて欲しいものだと思います。
退屈しのぎに本を読んだり飴をなめたりして過ごしていると
通りかかったおじさんが
この電車には車内販売が無いと文句を言っていました。
そうですね、車内販売があるといいですね。
駅弁なんか買いたいかも知れません。

それでも乗車して2時間ほどしたら目指す「勝沼ぶどう郷駅」に到着しました。

勝沼ぶどう郷駅で「快速お座敷甲州ぶどう狩り号」を下車します。
雨は車中から見た時よりは小降りになっていましたが
相変わらず傘なしでは歩くことは出来ません。
勝沼ぶどう郷駅前は小雨です。

JR勝沼ぶどう郷駅
駅前は空いていました。
やっぱりこの雨の中、勝沼まで来る人は少ないようです。
駅前にたまるタクシーが寂しそうです。

勝沼ぶどうの丘遠景
駅の前の緩やかな谷の向うは山になっています。
その山の上には「勝沼ぶどうの丘」という施設があります。
勝沼の葡萄の広告施設ですね。

我々は駅で配っていたワイナリーの案内図を貰って
駅から「シャトー勝沼」というワイナリーまで歩くことにしました。
小雨の中とは言え葡萄畑に挟まれた道路をのんびりと歩くなんて
都内じゃ出来ない経験ですからね。
途中葡萄棚を見る事が出来ます。
時々高い葡萄棚を見ました。

おいしそうな葡萄、でも手が届きません。物理的に。
棚の下に立ってもとうてい手が届くとは思えない高さです。
あの葡萄はどうやって取るのだろうと素朴な疑問を持ちながらさらに進むと
目指す「シャトー勝沼」が見えてきました。

シャトー勝沼、かっこいいです。

到着するとすぐにワイン工場見学をしました。
日曜日なので操業は止まっているそうですが
二階のガラス越しに工場の様子が見られて壁には簡単な行程の説明があって
赤ワインと白ワインの違いなどを教えてくれます。
さらに順路に従って地下に降りると
樽や瓶でワインを貯蔵している部屋が見られて大変興味深いものでした。
面白かったです。

一樽持って帰りたいです。


一瓶でもいいから持って帰りたいです。買えよ!

そのあと併設のおみやげ店に行ってワインの試飲をしてみました。
どれも美味しくてつい飲み過ぎてしまいそうになります。
試飲で飲み過ぎるなんて信じがたい話ですが
お酒に強くない我々には十分あり得る話です。
それに美味しいんですから仕方ないですよね。

まだお昼を食べていないことに気づいておみやげ屋さんの二階にある
レストランでお昼を食べることにしました。
和牛のビーフカレーだったのですがメインの美味しさもさることながら
食前酒のワイン、葡萄を使ったデザートが絶品で
また行きたくなるお店のリストに入るほどでした。

食後のコーヒーまで済ませても窓の外は強い雨です。
僕たちは困ってしまいましたがとりあえずおみやげのワインの買い物をしました。
5000円以上買うと送料サービスだそうです。
嬉しいじゃないですか。

一通り買い物に満足した僕たちはほかに回ることにしました。
ワイン工場の受付の人に頼んでタクシーを呼んで貰えましたので
タクシーで次なる目的地「メルシャン勝沼ワイナリー」に向かいました。
タクシーは甲州タクシーと言う会社で
中年の女性ドライバーが運転していました。
運転手さんは我々の葡萄についての無知な会話を
聞くとはなしに聞きながらも
時々正しい知識を教えてくれる素晴らしい運転手さんでした。
彼女によるとあの異常に高い葡萄棚は車を使って収穫するのだそうです。
なーるほど。
親切な女性ドライバーは車を降りる時に
僕たちにタクシーの電話番号をくれました。

メルシャン勝沼ワイナリーに着いた時もまだ強い雨が降っていました。
メルシャンは20分おきにワイン工場の見学をさせてくれるそうですので
これに付いていくことにします。
その前に少し歩いたところにある資料館を見学することにします。
資料館は初期の頃のワイン工場を資料館にしたもので
昔のワインのにおいが壁にしみこんでいるかのような雰囲気の
年代物の木造建築でした。

葡萄絞り器とかいろいろ、ヲイ。
受付の中年女性が来る客に孤軍奮闘
熱心に昔のワイン造りを説明していました。

昔は大変だったみたいです。
今は今でみんなの味に対する要求度が高いから
それはまた大変なのでしょうね。
資料館を出たら少し小雨になっていました。
さっきのワイナリーまで戻っていくつか試飲をしてみます。
美味しいワインとそうでもないワインが無造作に並べられて
美味しくないワインを飲んだあとは美味しいワインで口直しをしたくなります。
これじゃあ酔っぱらうはずですね。

ワイナリー見学は先ほどの「シャトー勝沼」と違って説明する人がいたので
さっきより少し詳しくなりました。
発酵タンクもさっきのワイナリーよりもだいぶん大きいようです。
ワイナリー見学ツアーには酔っぱらいの団体が混じっていて
案内人の若い女性にセクハラまがいの冗談をぶつけています。
全く困ったものです。

ワイナリー見学のあと元の建物に戻ると
通路に降る雨のカーテンの向こうに見える
有料試飲の店が気になって仕方がありません。

魅惑のワインテイスティングサロン

テイスティングサロン「ラ・ヴィーニュ」と言うお店で
土日祝日のみの営業だそうです。
とっても高いワインをリーズナブルなお値段で
試飲させてくれる訳ですからお買い得ですよね。
僕たちはここで思いきって普段口にすることの出来ないワインを
3人で回しのみをしたのでした。
『桔梗ヶ原メルロー』、『北信シャルドネ』と
あともう一つ『なんとか』と言うのを飲みました。
美味しかったです。

テイスティングサロンからワイナリーの売店に戻ります。
美味しいワインを試飲して思いがけず少し酔ってしまいました。
それに雨に濡れながらここまで歩き回るとやっぱり疲れてきました。
ワイナリー巡りも満喫したことですし
そろそろ家に帰りたくなるというものです。
僕たちはワイナリーの売店前でちょっと放心して休憩しました。

メルシャンワイナリー前休憩所

しかし電車の時間まではまだ二時間ほどあります。
ここにいても飽きてしまったし駅に戻っても退屈しそうです。

途方に暮れた僕たちでしたがやっぱりまだ時間があるので
タクシーでさっき駅から見えた勝沼ぶどうの丘にいく事にしました。
電話でタクシーを呼ぶとさっきと同じ女性ドライバーでした。
僕たちは偶然同じドライバーに当たったのでした。

車が勝沼ぶどうの丘に着いても雨はまだ強い降りです。

正面がメインの建物でなかはワインの売店です。

ここは公の建物のようで
たくさんメーカーのワインを売っているところです。
個別のワイナリー見学では
そこのワイナリーのワインしか置いてありませんので
(当たり前ですね)
各ワイナリーのワインが一堂に会する
このような施設はありがたいものです。
しかしここの売店も広いとは言えない規模でして
三周くらいしたら飽きてしまいました。

駐車場の遙か向こうに見晴台のようなものがあるので
そこに行ってみることにしました。
雨の中を歩くのももうそれほど気になりません。
もう十分濡れてしまいました。
見晴台は高台にあってさすがの風景でありまして
雨に煙る駅を谷越しに眺めることが出来ました。

画面中央、橋のすぐむこうに駅が見えます。

そろそろ列車の時間ですので
タクシーを呼んで駅に行く事にしました。
そうしたら迎えに来てくれたタクシーは
みたび同じ女性ドライバーでありました。
凄い偶然なのでありました。

駅で少し待って帰りの列車がやってきました。
行きと同じ「快速お座敷甲州ぶどう狩り号」の復路であります。
この列車は一日一往復しかしませんので
復路の時間が来るまで
甲府の駅のどこかでずっと待っていたのでしょうね。
健気な列車ですね。

この駅で僕たちは乗車証明発行機を見ました。

漫画「鉄子の旅」でも出てくる幻の機械ですね。
いやあ、ここにあったのかと思いましたですね。
どこにでもある?
帰りのお座敷列車は往路に比べて混雑していました。
僕らが座るはずの席には先客の荷物がどーんと置かれていて
僕らがチケットを見てここだここだと騒いでいると
先客はめんどくさそうに荷物をどけました。
お座敷列車は隣との境界線がはっきりしないのが欠点ですね。

反対側の隣の客は中国人の家族でした。
幼稚園くらいの元気な男の子が二人いて
この子達が大変うるさかったです。
子供がうるさいのはかまわないんですがその子達が走り回る時
僕がいるコーナーを曲がる時に僕の肩に手をかけて曲がるのです。
少しうとうとすると子供が僕の肩につかまるので
僕はそのたびに目が覚めてしまいます。
隣のテーブルで母親は中国語で談笑しています。
隣人に恵まれない復路の旅なのでありました。

北朝霞に到着後は
再び自宅にいる次男を呼び出して迎えに来て貰いました。
我が家に帰り着いたのは夜の7時でありましたから
ほぼ半日の行程だったという訳ですね。
朝から晩まで一日中雨だった記憶に残る山梨行きなのでありました。

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