栃木ふたたび



2009年10月02日


栃木ふたたび
今から3年ほど前に栃木市に遊んだのは
既にこのページで詳らかでありますが
何を考えたか小生はもう一度この街を訪れて
以前歩いた道をトレースしてみることにしました。

以前の旅と今回の旅は大きく違います。
栃木について無知だった前回は見るもの皆新しくて
多くの(小生にとって)新しい知見を学ぶことができました。
栃木市はその昔朝廷の勅使が毎年日光にお参りするようになって
その例幣使が通る街道沿いだったので栄えて
さらに巴波(うずま)川の水運で栄えて
商業が大変盛んだったそうです。
蔵の街とも小江戸とも言われる所以です。
今回の旅においては
小生は上記のような栃木についての豊富な知識
を背景にしたパワー観光客であるということですね。

ところで前回の栃木行では
東北新幹線で小山駅に乗り付ける大名旅行でしたが
今回は東武鉄道を利用して小山駅に行くことにしました。
新幹線よりもいくらか廉価で電車にもたっぷり乗れるわけです。
時間がかかるとも言いますね。

早朝の大宮駅東武野田線。(ウソ。時計は10:15を指しています)
大宮から東武野田線に乗って春日部で東武日光線に乗ります。
小山に着いたら今度は両毛線で栃木に至るわけです。

当初の計画では朝早い時間に栃木駅前に立って
街の空気を一杯に吸い込んだのち観光案内所で地図をもらって
効率的に要所を観光して早い時間に撤収、帰路について
夕方には家に帰る予定でした。
翌日に疲れを残さないという完璧な戦略でした。

ところが翌日に疲れを残さないようにするべきだったのは
前の日にこそであったようです。
当日寝坊してしまったんですね。
前日は久々の土曜日の解放感からか
小生は夜半2時近くまで深酒をしてしまったのです。
当然当初予定の6時出発の夢は叶わなくて
家を出たのは9時半近くになってしまったのでした。

現地に到着したのはまさかの12時過ぎでありました。

お昼を回った栃木駅遠景
前回来たときは朝9時に駅前に到着していて
諸施設がまだ開いてなくて当惑したものですが
今回は既にお昼というのですから
先が思いやられる展開です。
僕たちは何よりも昼食難民になることを怖れていました。

それで駅を出たらどこか適当なところを見つけて
早めにお昼を食べてしまおうと考えたのです。
さすが旅慣れていますね。

それで改札口を出たところから目を皿のようにして
美味しそうなお食事どころを探していたわけです。
そうしましたら改札口の目の前の柱に
釜屋と書かれた鰻屋さんの看板があるではないですか。
鰻に目がない僕はもうすっかりその気です。
ところが看板には地図が書いてありません。
駅舎内で観光案内をしているボランティアの町の人に
釜屋の場所を聞いてみたら僕たちが行くのとは反対方向の
それもかなり遠いというお話でしたので鰻案は立ち消えになりました。
ああ、もうお腹はもう鰻モードだったのに。

ところがその案内の人がおっしゃるには
メインストリートに釜屋の支店があるらしいんですね。
そちらは昭和レトロな雰囲気をウリにした
ALWAYSカマヤというお店らしいです。
それならばそちらに行こうと言うことになりました。

そのALWAYSカマヤは意外に遠くて途中にも
いくつかの美味しそうなお昼のお店を見かけましたが
思いこんだら一途な僕の頭にはもうALWAYSカマヤしかありません。
しばらく歩いてたどり着いた目的の
ALWAYSカマヤは想像通りの素敵な佇まいのお店でしたが
店に貼ってある張り紙は僕たちを落胆させるものでした。
そこには
「本日貸し切りのため御入店できません。
又のお出でをお待ちしています」と書いてあったのです。
そんなあ!

しばらく店の前で呆然とした僕たちでしたが
気を取り直してここに来るまでに道沿いにあったお店に入って
お昼を取ることにしました。
ALWAYSカマヤを目指して歩いていた僕たちでしたが
プランBのデータ集めはしていたのね。
旅慣れていますね。

少し戻って、というかかなり戻って
瀟洒な感じのEpicureというフランス料理の店に入ります。

Epicureというのは美食家、グルメという意味なんだそうです。
お店は混んでいました。
お店の中にはあちこちにフランス語の張り紙があったり
ミシュランの人形があったりまるでフランスに行ったみたいです。
行ったことないけど。

ここで美味しい料理をいただいてやっと人心地です。
ただ美味しいお料理は作るのに時間がかかるわけでして
お昼を食べて店を出たときは
既に1時40分だったのは痛かったですね。

いよいよ栃木市内観光ですが
帰りの時間を考えるとそうそうゆっくりもしていられません。
4時には栃木の駅に戻りたいところです。
急いで見所を回ることにします。

蔵の町、栃木の風景


繁盛している荒物屋さん
それで今回はまず最初にとちぎ山車会館を見て
次に山本有三ふるさと記念館、
引き続いて横山郷土館を見学して
塚田歴史伝説館に至るという計画を立てました。
要するに前回のルートから岡田記念館を省略したわけですね。

とちぎ山車会館は以前来たときと同じ
とちぎ秋まつりの再現を楽しめるようになっていて
前は観客が僕1人でしたが今回は8人くらい見ている人がいました。
このくらいいれば上演する価値がありますね。

山本有三ふるさと記念館は山本有三という昔の偉い人の
人生を資料とともに展示した建物です。

山本有三ふるさと記念館。向かって左の床屋さんは生家で銀巴里で、・・・ええっ?
3年前にも見たはずの展示物はどれも僕には新鮮で楽しめました。
記憶力がないのってこんな時は幸せですね。

ここから巴波川の方向に少し歩くと
昔麻問屋と銀行を営んでいた横山家の前に出ます。

巴波川に面した横山家。水運で栄えた豪商です。
横山家は今は横山郷土館として広く開放されています。
麻問屋として栄えた頃の蔵の内部を見たり
昔の銀行の帳簿とか金庫を見ることが出来ます。

前はここでエビピラフを食べたのを懐かしく思い出します。
今回もここで一休みしようと言うことになりまして
抹茶セットを二人お願いして奥の座敷に入りました。

庭先の可愛らしい洋館。中は畳敷きでした。
ここに来ると庭先の洋館が眺められるのも楽しみです。
さすが詳しいですね。
旅慣れています。
抹茶は大変美味しくて
それにお茶菓子の羊羹も結構なお味なのでありました。

最後に塚田歴史伝説館に向かいます。
巴波川に沿って長くのびた伝説館の建物群もまた
昔の豪商の建物を利用改装したもののようでした。
塚田家は江戸時代後期に木材を筏にくんで江戸まで
運ぶ木材問屋だったそうです。
塚田歴史伝説館には大変有名な
三味線おばあさんロボットがあります。

三味線おばあさんとファンのおじいさん。
その表情や動きは大変真に迫っていてかなりの傑作です。
そのおばあさんを熱心に見つめている
おじいさんの人形の出来も秀逸で
前回僕ははじめて見て
しばらくは人形なのを気づかなかったくらいです。
今回もそのおじいさんがおばあさんの方を見て座っていましたが
おじいさんの着ている服が前と違うのです。

三年前に見たおばあさんとおじいさん。
前は5月だったせいかジャンパーを着ていましたね。
今回は半袖のシャツでしたので
季節に合わせて服を換えているんですね。
ちなみにおばあさんの和服は変わっていないようでした。

塚田歴史伝説館にはそのほかにも
見る人が見ればわかる大変貴重な品々が展示されています。
また奥の庭には水琴窟などがあり興味深いです。

音色も涼やかな水琴窟
この時点で3時40分でしたのでそろそろ時間切れです。
帰路につくことにします。

駅まで戻ったら山本有三先生の石碑がありました。

恥ずかしながらまだ「路傍の石」まだ読んでません。きっともう読まないし。
「人生は楽しくなくちゃ」(意訳)と書いてありました。
その通りだと思います。
違うことが書いてあるような気もしますが。

帰り道は再び東武線を選びます。
乗ったのが急行列車でうっかり春日部駅をやり過ごしてしまったら
電車は北千住まで一気に進んでしまいました。
まさか武蔵野線の南越谷駅に連絡する
新越谷駅に止まらないとは思いもしませんでした。
武蔵野線利用者にとっては大変残念な運行です。
仕方がないので北千住から新越谷まで戻って
我が家に帰り着いたのでした。

ああ疲れた。

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