岩崎邸見学




2004年05月16日


岩崎邸見学
もちろん誰も覚えていないと思いますけど
昨年の11月に僕は根津神社、東照宮という旅行記をアップしました。
その時に時間切れで見られなかった旧岩崎邸を見学することにいたしました。

岩崎邸は不忍池の近くにありますので
今回は丸ノ内線の本郷三丁目駅から歩いて向かうことにしました。
地図で見ると御徒町から歩くのとあまり差はないようです。
何よりあの辺少し歩いてみたかったのであります。

学生運動華やかなりし頃は学生運動家の投石を避けるため
窓ガラスにはすべて金網を張り巡らせていた本富士警察署の前を通って
御徒町の方向に歩きます。
少し歩くと湯島プラザホテルの印象的な建物に出会います。

                                  湯島天神の鳥居も隣にありますね
その先少し歩いてから左に折れて
池之端文化センターを過ぎたところに岩崎邸はあります。
と言ってもここから建物までは今しばらく歩かなくてはなりません。
広大な敷地の入り口に着いたというわけですね。

                                     ここからまだしばらく歩きます
細かい砂利を敷き詰めた坂道を上って
やや疲れてきた頃ようやく岩崎邸のチケット売り場があります。
大人400円、年中無休だそうであります。

岩崎邸は聞きしにまさる迫力のある建物でした。
木造ながら洋風の建築で
その設計はあのジョサイアコンドルだと言うことです。

                  東南アジアの植民地のホテルのように見えなくもないですね
コンドルは明治初期に
日本に西洋建築を伝えた建築家として有名ですが
僕としては日本が生んだ天才画家川鍋暁齋の愛弟子としての方が
印象に残っています。
そのためコンドルの残した数々の業績を見るにつけ
川鍋暁齋のすごさを再認識させられるという構造が
僕の頭の中に出来上がってしまっているんですね。
どっちも凄いんですけどね。

岩崎さんは言うまでもなくあの大三菱の創業家ですね。
やっぱりあれだけの実業家だとこれほどの家に住んでいたのだなぁ、
と感心していましたところ
現存するのはこれだけだが昔は
もっともっと広くてもっともっと沢山の建物があったそうです。
大小併せて20棟以上の建物があったそうです。
そんなにいらないだろうと思いますね。

現在我々が見ることが出来るのはそのうち3棟だけだそうです。
それだけでお腹一杯でした。
充分凄いです。

玄関部分は洋館でありまして
何が凄いってこの洋館が凄いんですね。

                  これで明治初期の個人の邸宅なんですから驚いちゃいますね
明治時代の意匠とは思えないような豪華さに溢れています。
豪華にして骨太な明治の気骨のようなものも感じられます。
暁齋の影響はどうか知りませんが暁齋のデザインと通じる匂いがします。

洋館の客間やベランダなど見学して回って面白かったです。
流石に豪華な内装であります。

       壁紙は部屋ごとに違った意匠のようでした。それも特殊な製法の壁紙だそうです
       それにしてもこの暖炉のうえの鏡は位置が高すぎるのではないかと思いますね

          広い庭、涼しい風、さっぱりした床、すべてが気持ちの良い岩崎邸ベランダ


                                    広々とした気持ちの良い庭です
ベランダから庭を見下ろすと自分の家のようです。
明治の三菱の一員になったような気がしてなかなかよい気持ちです。
それは勘違いですね。
肩からショルダーバッグ、首からデジカメぶら下げて
左手には下足袋持っているんですよ!

2階も見学したあとは和室部分に入ります。
和室部分では500円でお抹茶を飲ませてくれる
サービスをしておりました。
縁側から降りたところで
式台に緋毛氈をひいて座れるようになっています。

                            上品な感じの奥様方がお茶を飲んでいました
実際は昔は和室部分が生活の主体だったようでして
和風建築部分は建坪が550坪に及んだそうです。
ちょっと想像が付かない広さであります。
そんなにいらないだろうと思いますね。

きっとそう思うのは
今の自分が核家族だからであって
親戚だの使用人だのが沢山いて他に来客が引きも切らない状態で
このくらいの広さが必要だったのでしょうね。
よそ様のことは想像つきませんものね。

わずかに残った和室部分を見たあとは一面の芝生の広大な庭に出ます。
庭の周りには鬱蒼と茂った木が涼しそうな日陰を作っていて
多くの人が木陰で涼んでいました。

                                             公園みたいな庭
この風景は何処かで見た風景だと思ってよく考えてみたら
皇居東御苑で見た風景のミニチュアなのでした。
皇居の方が広かったですね。
何しろあそこは本丸跡ですからね。

庭の片隅に撞球場なる建物があります。

                                             ビリヤードですね
岩崎さんはお客のリクエストによっては
ビリヤードなどしながら商談をすすめたというわけですね。
この撞球場は離れなんですが
雨の日にも行けるようにか母屋と地下通路でつながっていたのだそうです。
そこまでやるか?と言う贅沢であります。
ちょっと絶句。
金持ちのやることは凄いですね。

帰路はのんびりと後楽園まで歩いて再び丸ノ内線に乗りました。
ちょうど巨人戦のある日でしたので夕方そろそろドームの周囲が混み始めて
賑やかな東京、騒がしいラクーア(元後楽園ゆうえんち)を
味わいながらの帰宅になりました。

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