巣鴨から浅草へ



2009年03月20日


巣鴨から浅草へ
都内には地下鉄が縦横に走っています。
東京の地下鉄の充実ぶりはきっと世界一だと思います。
しかし先日テレビのある番組で
都内をバスで巡る企画をやっているのを見て
バスの持つ利便性にも興味を持ちました。
バスは地下鉄以上に密度高く都内を走っています。
好きなところで降りて気ままに次のバスに乗り込んで
次の目的地まで移動することが出来るわけですね。
すばらしいじゃないですか。

それに都バスには一日乗車券というのがあって
五百円のそのチケットを買えばその日のうちなら
何回でも乗り降り自由というじゃないですか。
これはもう乗ってみるしかないですね。
        
          嬉しい一日乗車券
と言うわけで
三月の半ば僕たちは池袋駅東口のバス乗り場で
浅草行きのバス、草63を待っていたのでした。

     
    東京都交通局自動車部、都バスですね。
定刻通りの都バスには休日と言うこともあってかほぼ満席の混み具合でした。
都内の人には日常の足として使われているんですね。
時刻表を見ると十分おきくらいのほぼ満足できる頻度の運行でした。

バスに乗って走り始めて間もなくのところの
巣鴨のいわゆるとげ抜き地蔵に立ち寄ることにします。
筆者は若い頃母に運転手を命じられてよくこのお寺にやってきました。
昔は今よりもずっと路駐しやすかったのですね。

ここがあの有名な巣鴨地蔵通商店街ですね。書いてあるし
この日は日曜日でしたが15日でしたので四の日ではありませんでした。
四の日は縁日で混むんですよねこの町は。


誰が言ったか「おばあちゃんたちの原宿」。その名に恥じない盛況ぶりです。
歩いている人たちは確かに原宿よりは高齢ですけど
おばあちゃんと言われるほどじゃない人も多いです。
ていうか普通に若い人も多かったです。
お寺の参道のようなものですから中高年が多いのは確かですね。


曹洞宗萬頂山高岩寺と言うのだそうです。各種病気快癒が御利益です。
画面中央の小さな屋根の下には
大きな火鉢のようなものがあってたくさんの線香が投げ込まれて
そこから立ち上る煙を体の悪い部分に当てると病状が改善すると言われています。
ええと、僕は膝と腰とあと頭ですね。

その向こうの左側の見えないところに
いわゆる「洗い観音」と呼ばれる石像があります。
膝が悪い人はこの観音様の膝を洗えば良くなるし
腰が悪い人はこの観音様の腰を洗えば良くなると言うわけですね。
この日も観音様を洗うために長い列が出来ていました。

さらに正面の大屋根が本堂ですがお賽銭を上げた後
右側の寺務所では秘仏の延命地蔵菩薩のお姿を写した
(小さな和紙にお地蔵様が印刷してある)
御影(おみかげ)を購入することが出来ます。
これを悪いところに貼るわけですね。
膝が悪い人はこの御御影を膝に貼れば良くなるし、と言うわけですね。
またこの御影を水と一緒に飲んでも良いようです。

お地蔵様を出て商店街をしばらく散策して
途中の鞄屋さんでお財布を一つ買いました。
この鞄屋さんはご主人が趣味人で
お店の奥に店で扱う商品とは無関係のものをたくさん飾ってあって
ブリキのおもちゃとか旅先で見つけたものなんかが展示してあるんですね。
面白かったです。

商店街から引き上げようとしたら
なにやら人だかりがしているのでなんだろうと近づいたら
どうやらテレビクルーが何かやっているようなんですね。
よく見るとあの有名な軽部アナウンサーが道行く人に何か取材しているんですね。
遠くからその様子を見ていたら
ジャンパー姿の若いきれいな女の子が僕たちに近づいてきて
「いま学生時代に知り合って結婚したご夫婦を捜しているんです。
お二人は学生時代に知り合ったんですか?」と聞くではないですか。
僕たちはそれには該当しないのですが
もしそうだったら軽部さんが僕たちに
「なれそめは?」なんて質問して
その様子がテレビに映ったりしちゃうのでしょうか。

全く東京というところは油断がならないところですね。

有名な軽部アナウンサー。大勢の人が携帯電話で写真を撮っていました。

再びバス、草63に乗って浅草方面を目指します。
車内の様子は下の写真のようですが混むときはかなり混んでいました。
座席は少し、いや、かなり狭いです。
前の座席の背もたれに膝がぶつかりそうになります。
バスの設計者の人は小さい人が多いのでしょうか。
あんな狭いもの作らないで欲しいです。

座席が狭いバスの車内。
このバスで日暮里、三ノ輪を通って浅草に向かいます。
途中すばらしい東洋大学の白山キャンパスを見かけました。
朝霞キャンパスもそうですが広々とかつ美しく東洋大すごいです。

白山から団子坂を下ります。
この団子坂は以前旧安田亭を訪ねたときに徒歩で登った坂です。
今まで町歩きできたところを車中から眺めるのは不思議な気分なのでありました。
西日暮里をかすめるように荒川区役所に向かいます。
西日暮里の駅近くにはあの有名な開成中学高校がありますですね。
バスはそのまま三ノ輪を抜けて千束から浅草に至りました。

はるばる来ました、浅草雷門。いつ見ても混雑していますね。
今回はここが目的地ではありませんので浅草寺には参拝しません。
また次の機会にお参りをすることにします。
今までも結構来ていますしね。
あのときとかこのときとか。

シャトーカミヤを見て以来何となく気になる「神谷バー」
電氣ブランで有名な神谷バーを横目に見ながら隅田川に向かいます。

隅田川は筆者が小学生の時遠足のバスでこの橋を渡ったとき
ものすごい悪臭がしたのを覚えています。
高度経済成長の真っ只中で
環境問題が置き去りになっていた時期だったんですね。
今はその頃よりずっときれいになって魚も住んでいるらしいですね。

吾妻橋からアサヒビール吾妻橋ビルを見ます。
画面左側の建物はアサヒビール吾妻橋ビルですね。
ビールのジョッキを模したビルで上に泡が乗っているわけですね。
右側の建物はアサヒスーパードライホールと言うのだそうです。
上に火の玉が乗っています。

近くに勝海舟の像があるというので行ってみました。
勝海舟は江戸城の無血開城で有名です。
勝海舟は墨田区の生まれなのだそうですね。

幕臣勝海舟像。この左側に隅田川が流れています。
勝海舟に会って幕末に思いをはせた後は
少し歩いて新しいバス乗り場を探します。
ちょうど本所吾妻橋というバス停を見つけましたので
このあとバス、都08に乗って錦糸町に向かうことにしたのでした。

錦糸町駅は巨大な駅ビルが併設されたまるでどこかのターミナル駅のようでした。
錦糸町駅界隈をそぞろ歩いてみましたが
夜になるのを待っているようなところばかりが目について
昼間見ても面白くありません。
きっと日用雑貨を扱う錦糸町商店街は別のところにあるはずですが
探していくほどの目的もないので今回は錦糸町探索はしません。

一日乗車券のオーナーの僕たちは
せっかく都バス一日乗り降り自由ですのに
錦糸町の駅から電車に乗って帰路につくのも残念ですので
再び新たなバス停を探して移動します。
そうしたらありましたですね新たなバス停が。
見つけたバス停でまたバス両28に乗って両国に行くことにします。
途中で以前にもきた江戸東京博物館、旧安田庭園、旧両国公会堂
めぐるように走ります。
なんだか懐かしい思いがします。

両国の町で見かけた横綱土俵入り像
両国は国技館のある町ですので町も相撲色に染められています。
相撲部屋もたくさんあるようですね。
両国駅近くの道路に上の写真のような
横綱土俵入りの像があったので感心しました。
この像は色々なポーズでこの道路に沿って九体あるそうで
台座には歴代横綱の手形がはめ込んであるのだそうです。

両国橋を渡って馬喰町に向かう。
両国駅から歩いて両国橋を渡って秋葉原方面に向かいます。
この道はまっすぐ進めば神保町、九段に至る道ですね。
九段までおよそ三キロとみましたね。
もちろん九段まで歩く気はありませんので
馬喰町からバス、東42甲に乗って浅草に向かいます。
これでやっと振り出しに戻って帰り道らしくなりました。

雷門に戻ってきました。そろそろ日が陰ってきます。
浅草から池袋に行くバス停を見つけてこれに並びます。
と言っても僕たちの前には初老の夫婦が一組いるだけです。
きっと向こうもそう思っているんでしょうね。
バスの時刻表も10分おきくらいの運行でいい具合です。
ところがこのバスはなかなか来ませんでした。
遙か向こうからこちらに向かってくるバスはたくさんあるのですが
そのどれもが行く先違いだったり
我々のところに来る前に曲がってどこかに行ってしまったり
待てど暮らせどいっこうに来る気配がありません。
僕たちの後ろにはバスを待つ長い長い列が出来ています。
結局バス、草63は定刻より十分ほど遅れて到着しました。
次のバスの到着の時間です。
バスは停留所に到着すると
「遅れてご迷惑をおかけしています。
次のバスがすぐ来ておりますのでそちらもご利用下さい」
と放送しました。
振り返ると確かにすぐ後ろに次のバスが到着していました。
次のバスは遅れていなかったのですね。

バスの座席に収まって気が緩んで
終点まで乗るつもりですから
眠気に抗いがたく途中の記憶があまりありません。
あの狭い座席でも寝ちゃうなんて疲れていたんですね。
池袋に着いたときにはとっぷりと日が暮れていた。
時計を見たら浅草から約一時間でした。

そういうわけで今回僕たちは
都バスを草63、草63、都08、両28、東42甲、草63と乗り継いで
計五回の一日乗車券使用となったのでした。
得した気分です。
疲れたけど。

よく考えると巣鴨しかじっくり見ていないんですよね。

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