東向島



2008年03月20日


東向島
東武伊勢崎線の東向島駅に隣接して東武博物館があります。
東武博物館は東武鉄道の歴史を実際の車両の展示などを通じて
わかりやすく解説してくれる博物館です。
以前から一度行ってみたいと思いながら
我が家からはアクセスが悪いためにまだ行ったことがありませんでした。

しかしアクセスが悪いと思っていたのは実は誤解でありまして
先日行った西新井大師の少し先に東向島駅はあるのでした。
南越谷(東武名「新越谷」)で一回乗り換えですね。
それでついに我々は東武鉄道の歴史を解明する旅に出たのでありました。

東武博物館は東武鉄道の威信をかけたピカピカの建物でした。

思わず入りたくなるぴかぴか玄関。
自動ドアが開いて中にはいると
広めの玄関ホールがあって右手に入場券売り場があります。
入場券を買って受付のきれいなお姉さんに切符を渡します。

館内にはいるとすぐにSLや電化初期の頃の車両が展示してあります。
写真は大正13年の東武鉄道最初の電車だそうです。

いかにも古い電車ですね。電車と言うだけでも驚きですけどね。デハ1型5号電車。
この車両の室内は極めてノスタルジックで
自分の記憶を探してもここまで旧式の車両は見たことがありません。
車内の意匠を凝らした照明や手の込んだ座席の仕切りなどを見ると
外見に似合わず高級車両だったのかもしれません。
それにしてはつり革などもついているしなんだか不思議です。
もしかしたらこの頃は電車に乗ること自体が
贅沢なことだったと言うことなのかもしれません。

ガラスに装飾を施した美しい照明が目を惹きます。

さらに日光鬼怒川にまっしぐらだった「ロマンスカーけごん」が展示されています。
これに乗れば日光まで行けちゃうんですから凄いですよね。
当時はきっと大人気ですね。
それにしてもちょっとインフラが整うと
すぐにその贅沢バージョンが登場するのは人間の業ですね。

高級電車「ロマンスカーけごん」

さらに進むと極めて興味深いバスを見ました。
これはキャブオーバーバスというのだそうで運転席の脇にエンジンルームが
盛り上がっているのが特徴的です。
それ以前のボンネットバスよりも大勢乗れたので一時代を画したバスのようです。
この車体とこのペイント、これは筆者が小さい頃見たような気がします。
昭和30年代に活躍したバスだそうですから小生も見たことがあるわけですね。
50年近く昔の車に見覚えがあるというのは
嬉しいようなそうでもないような気分です。

でも確かに見た記憶があります、やっぱ。

この彩色のブリキのおもちゃも見た気がします。もう記憶がごちゃごちゃですね。
で、その室内は流石昭和30年代だけあって簡素そのものです。
運転席は椅子とハンドルがあるだけだし、客席は合成レザーの粗末なものです。
クッションが付いているから良しとしなくちゃですね。
床は当然木張りです。フローリング?

レトロな東武バス車内。高度経済成長が始まる直前の頃ですね。
他にも東武線が徐々に路線を延ばしていった地図とか
大きな鉄道模型のジオラマがあったりとか
子供たちの運転シミュレーションをのぞいたりとか
楽しかったです。
どうして鉄道ってあんなに童心に戻れるのでしょうか。

東武博物館にすっかり満足して家に帰ろうかと思ったのですが
気候も良いので少しあたりを散策してから帰ることにしました。

少し歩くと向島百花園もあることですので
どんなところか一度見ておこうというわけですね。
向島百花園は大名が造った庭園ではなくて
市井の個人が草花を愛でるために開いた花園なのだそうですね。
佐原鞠塢と言う骨董商だそうです。
昭和13年から東京市の所有になったそうです。

向島百花園入場券売り場
向島百花園は春の穏やかな日曜日だけあって
入園者でにぎわっていました。
老若男女ならぬ老中男女と言うところでしょうか。
中年と老年のカップルを多く見かけました。

何となく気楽な園内。
園内は流石に客層を見越してか
あちこちに休憩できる椅子が置いてありまして
ここは自前のおにぎりなんかを持ってくると
楽しいのかもしれませんですね。
食べ物持ち込みいいのかな。

竹を組んだ萩のトンネルというものもありました。
秋になるとここに萩がからみついて
萩の花がトンネル状になるのだそうです。
好きな人にはたまらないのでしょうね。


萩のトンネル、シーズンに来なくちゃね。
百花園を辞して近くを流れる隅田川に出てみることにしました。
そうしたら途中で有名な「言問団子」の店を見ました。

僕たちはそろそろ歩き疲れていたので
この辺でお茶でも飲んでいきたい気分です。
店内をのぞくとテーブルに向かって団子を食べている人がいます。
おいしそうです。
話の種に言問団子を食べていくのも一興です。

団子の魅力に思わず足を止める図。

そういうわけで僕たちも店内に入って
団子とお茶のセットを頼んだのでありました。
団子のセットは席に座るとすぐに出てきました。
太めの爪楊枝が付いて食べやすそうです。
お皿とお茶碗も言問バージョンです。

お団子は三色あっていずれも上品な味でとってもおいしかったです。

店内に「東京下町散歩」という本が置いてあって手に取ってみると
ご当地向島を始めお茶の水や谷中など
都内のあちこちの絵地図と解説を載せた本でした。
面白そうなのでこの本を一冊分けてもらいました。
店のご主人が
「著者のサイン入りだよ」って教えてくれました。
後で読んでみたら本の中に
当の言問団子のご主人の写真が載っていてびっくりしました。
作者とタイアップしてるのね。

有名な言問団子の本店
団子屋さんを後にして隅田川に向かいます。
途中長命寺の桜餅という有名なお店がありましたが
おやつばっかりそんなには食べられませんので
ここはパスして一路土手に向かって川に出てみます。

一気に展望が広がって桜橋というX字型の橋に出ます。
今更ながら隅田川というのは大きな川だなあと思いますね。

桜橋より上流方面を望む、彼方に見えるのは白髭橋と思われます。
このまま浅草まで歩いても良いのですが
浅草から帰るのはちょっと遠いので
途中から堤防を降りて業平橋の駅に向かいます。
歩き疲れた頃業平橋の駅に到着しました。
ここまで来れば一回乗り換えで我が町に帰れます。
ちょっとほっとします。

駅のホームから広大な整地した広場を見ました。
聞けばここにあの新東京タワーが建つのだそうです。
ええっ!? そりゃ凄いですね。
完成したら是非見に来なくちゃ。

もう本気で基礎工事を始めちゃうかんね、という感じですね。

すっかり疲れて家に帰り着いた僕たちでしたが
家人が我が家の庭先に梅の花が咲いているというので
行ってみると確かに見事な梅の花が満開です。
思わず一枚写真に納めてみました。

我が家の庭に見つけた梅の花。この花を枝いっぱいにつけています。
見回すと我が家も何種類か花をつける木があるようです。
向島百花園にちなんで「うしろだ三花園」くらいですね。
タンポポも勘定に入れてもいいですよね。

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