鎌倉



2008年07月20日


鎌倉
今年も梅雨が明けて暑い夏がやってきました。
この時期に連休があるのはかなり嬉しいことでして
小さな夏休みを貰ったような気分になります。
折角の機会ですので
今回は少し遠出をして鎌倉に遊ぶことにいたしました。

鎌倉は既に何度か行きました。
今回は圓覚寺から始まって
東慶寺、明月院、建長寺の順で回る心づもりです。
盛りだくさんな計画でいささか欲張りな印象ですが
計画してしまったものですから仕方がありませんね。
その考え方は間違っていると思います。

いつもよりも少しだけ早く家を出て池袋から湘南新宿ラインに乗ります。
これで行くと鎌倉まですぐですね。
途中大船で乗り換えの際にお昼を迎えましたのでここで軽く腹ごしらえです。
幸いエキナカにいくつか軽食コーナーがありましたので
ここでおむすびを食べさせてくれる珍しいお店「ほんのり屋」を発見、
僕たちはそれぞれおむすびをふたつずつを食べて昼食としました。

おむすび大好き、幸せな昼食。これが?
貧しい食生活と思わないではありませんが
ここで沢山食べてしまうと後の動きがままなりませんので
このくらいでちょうど良いのです。

大船から一駅、北鎌倉の駅は昔と変わらぬたたずまいでした。
駅を降りてすぐのところに圓覚寺があるんですね。
圓覚寺は臨済宗圓覚寺派の総本山で
瑞鹿山圓覚興聖禅寺と言うお寺ですね。

圓覚寺仏殿。本尊は宝冠釈迦如来、まるで大日如来みたいじゃないですか。
ここのお釈迦様は元々盧舎那佛だったという話もありますしね。
およそ700年前の文永弘安の役の後、
時の執権時宗が仏法への思い強く
戦没した敵味方の両軍の死者の霊を
慰めるために創建したお寺なのだそうです。
彼此両軍の死者を弔うと言うところが日本人の仏教ですね。
この圓覚寺の舎利殿は国宝に指定されておりまして
小さいながらも非常に美しい建物であります。

鎌倉建築の最高傑作、圓覚寺舎利殿。
舎利殿というくらいですから
仏舎利(お釈迦様のお骨の一部)が納められているものと思われます。

円覚寺参道を下ってきますと
線路を渡ってまもなくのところに東慶寺があります。
東慶寺は北条時宗夫人覚山尼開山の臨済宗圓覚寺派のお寺ですが
明治に至るまでは男子禁制のお寺で
駆け込み寺とも縁切り寺とも言われて多くの女性をDVなどから救ったようですね。
いきさつ上、今も女性の支持が強いお寺とお見受けします。

東慶寺に至る階段。
以前北鎌倉を歩いた際に
東慶寺の境内の緑深い雰囲気の素晴らしさに感動しました。
ところが手違いで撮影した写真を消去してしまって
非常に残念な思いをしたのでした。

ひそやかな東慶寺本堂。
今回もう一度東慶寺を訪れて
その雰囲気を写真に残したいと思った訳なんですね。
今回もこのお寺の奥深くに分け入るとどんどん坂を上るように墓地が広がって
生い茂った緑に囲まれてまるで別世界にいるようです。
鎌倉寺院の一つの完成型ですね。
ふたたび行って良かった素晴らしいお寺でした。

東慶寺の次は明月院に行く予定で道路を歩いていると
お祭りの御神輿の列に出会いました。
 
これは八雲神社例大祭の御神輿らしくて
僕たちはたまたま運良く遭遇した訳なんですね。
なかなか賑やかなものでした。

行列とすれ違ってすぐのところに「ブラセリー梅宮」と言うレストランを見つけて
ここでケーキと紅茶を頂きました。
梅宮辰夫氏の弟氏がやっているお店だそうです。
レアチーズケーキ、絶品です。
レストランのテラス席で煙草を吸いながら
美味しそうにビールで一杯やっているおじさん達を見て
日の高いうちからビールを飲んで
午後の活動に差し支えない体力が羨ましく感じられました。
だってビール飲みたかったんだもん。
スタミナのない小生はここでビールを飲んだら
絶対動けなくなるから飲みたくとも飲めないんです。

ビールに後ろ髪を引かれながらレストランを後にします。
そこからすぐのところに淨智寺と言うお寺を見て
せっかくだからここも拝観することにします。

趣のある鎌倉らしいお寺でした。
臨済宗圓覚寺派浄智寺というのだそうで
鎌倉五山の第四位なのだそうです。
ちなみに鎌倉五山とは
建長寺 - 第一位
円覚寺 - 第二位
寿福寺 - 第三位
浄智寺 - 第四位
浄妙寺 - 第五位
なのだそうです。

浄智寺は境内のあちこちに親切な案内板が建っていて
順路通り回るとくまなく寺内を一周できるようになっています。
入り口付近で順路を逆行しそうになったら
「こちらからは逆方向になります。それでもよろしければどうぞ」
という立て札があったのには笑いました。

心温まる浄智寺を辞して今度は明月院に向かいます。
線路の向こう側に渡って小川に沿った長い長い参道を登っていきます。
緩やかな坂になっているのですね。
ようやく到着した明月院はあくまでもひっそりとしたたたずまいでした。
ここはもと最明寺があったところなんですね。
臨済宗建長寺派福源山明月院というのだそうです。
今はあじさい寺として有名であります。
参道が両側あじさいで一杯になるお寺ですね。

この両側があじさいの花でいっぱいになるらしいんですね。すごいでしょ。(え?)


明月院方丈。あんまりお寺っぽくないですね。
方丈近くにあった花想い地蔵というお地蔵様に興味を持ちました。
はかない花になぞらえて人との別れを説いているようです。
確かに花は無常を表現するのに適しているのかも知れませんですね。

本当に人生なんて花のように儚いものですね。もっとおいしいもの食べなくちゃ。

明月院で人生を考えて、次はいよいよ建長寺ですね。
建長寺は巨福山建長興国禅寺と言うお寺で
臨済宗建長寺派の大本山なのだそうです。

これがあの有名な建長寺。
五代執権北条時頼が創建したお寺なのだそうです。
鎌倉五山の第一位なのですからそれは大したものです。
建長寺と言えばやっぱり「建長汁」(けんちんじる)が有名ですね。
総門をくぐって三門を見て驚きました。
びっくりしました。
でっかいんです。

巨大三門。のしかかってくるような圧迫感です。
この門の上の階には五百羅漢が安置されているそうで
その下を通ると心が清らかになるそうです。
ありがたいじゃありませんか。
また安政四年の三門再建には
狸も僧の姿で現れて協力したそうで狸の三門と呼ばれているそうです。

仏殿は地蔵菩薩を安置してあります。

このお堂は芝の増上寺より徳川二代将軍秀忠の夫人
小督(おごう)の方の霊屋を移築したものなのだそうです。
奥には法堂、方丈がありさらにその奥には美しい庭園があり
流石の五山一位のお寺なのでありました。

ここまで来て時間は既に四時を回っています。
小町通りをゆっくりと通り抜けて途中のおもちゃ屋さんで
思いがけず見つけた江ノ電のプルプルを二つ買いました。
いよいよ帰路につきます。
幸い電車では席を確保できて
池袋までの1時間強をうとうとと過ごすことが出来たのでした。

戻る




戻る