神楽坂から千鳥ヶ淵へ




2006年04月09日


神楽坂から千鳥ヶ淵へ
先週初めの雨と風にもかかわらず
今年は桜の花が我慢強くていまもあちこちに半分くらいは咲いていて
僕たちの目を楽しませてくれています。
東京付近の話です。ご容赦を。

それでやっぱり一度は今年の桜を見ておこうと言うことになりまして
遅まきながら家人と出かけてみたわけです。
僕はまだ千鳥ヶ淵の桜を見たことがありませんでしたので
今回はあの有名な内濠の桜を見に行くことにしました。

折角千鳥ヶ淵まで行くわけですから
先に神楽坂に表敬訪問してこの街で昼食をとり
ゆっくり北の丸方面に坂を下って(一部登り)
靖国神社にいたって靖国の英霊に参拝することにします。
しかる後に内濠に沿って桜の下を散策、
千鳥ヶ淵を楽しむという完璧な計画です。

我が町からは飯田橋は有楽町線で乗り換え無しの好立地です。
地下鉄の出口から外に出るとそこが神楽坂の一番下ですね。
僕たちは外濠に浮かぶ「カナルカフェ」で昼食をとろうと考えていました。

カナルカフェ入り口

いまから3年ほど前にこの「カナルカフェ」で食事をしたのを思い出したのです。
この店のフランス植民地風のたたずまいが何とも言えない味を出しています。

図々しくデッキに入り込んで写真を一枚撮りました。

デッキに面したお濠の向こうには
法政大学のボアソナードタワーの勇姿が見えます。
このあたりに高い建物がないせいもあって
ボアソナードタワーの威風堂々あたりをはらう様は
いつ見ても感心します。
法政大学格好いいです。
こうじゃなくちゃ。

ところが今回僕らはこの店の前で驚きました。
店の前には順番待ちの長蛇の列があるのです。
店の中はレストランとカフェに別れているようでして
長蛇の列は主にカフェの方ですね。

カナルカフェに長い列は似合いません。

しかしレストランの方も数人の列が出来ています。
お洒落なフランスレストランに入るのに
列に並ぶなんて野暮なことはしたくないものです。
僕たちはこの店でお昼を食べるのは諦めて
神楽坂に登って昼食を捜すことにしました。

あちこち物色するうちに路地を入ったところに
小じゃれたフランス家庭料理の店を見つけました。

Cafe Le conquillage  ル コキヤージュと読むのだそうです。

店内も適当にすいていていい感じです。
ランチはタルティーノ、ガレット、オムレツ、キッシュ、サラダがあります。
どれを頼んでも980円とリーゾナブルです。
僕はオムレツを頼みましたがこれが絶品でした。
今度神楽坂行ったら食べてみて下さい。

美味しいオムレツをあとにして神楽坂をゆっくり下ります。
紀の善のあんみつとかくず餅に後ろ髪を引かれながら
僕たちは先を急ぎます。

坂を下り終えて道路を渡ると牛込橋です。
橋の上からお濠の右の方を見ると東京理科大学の整然とした建物が見えます。

理系受験生の憧れ、東京理科大学

建物の壁面に垂れ幕で「祝創立125周年」と書いてあります。
その向こうの建物には大学名と共に
明治の書生風の若者の絵が描いてあります。
なにやら夏目漱石の坊ちゃんを彷彿とさせるような絵柄です。

東京理科大学は古くは東京物理学校と称し
入るに易く出るに難い日本では珍しいタイプの学校だったそうです。
小説「坊ちゃん」の出身校はこの物理学校だったわけです。
帰宅後、大学のホームページで調べたら
この壁面の若者は小説の「坊ちゃん」をデザイン化した物なのだそうです。
やっぱりそうだったのか。

牛込橋をわたって
木造のほどよく由緒正しい飯田橋の駅を見ながら九段方面に歩きます。

いい感じの飯田橋駅

このへんは狭いながらも歩道の整備された歩きやすい道が続きます。

九段方面に向かって

このあたりは警察病院、日本歯科大学病院の建物が並んで
なんだか病院街のようです。
10年ほど前までは近所に
日本医科大学第一病院まであったのですから豪華です。
この病院は平成9年9月に廃院となったそうです。

九段につくと急に視野が広がって正面に武道館の大きな屋根が見えます。
右手に靖国神社の大鳥居があります。
この大鳥居は神保町のあたりからも見える巨大な鳥居です。

靖国神社の参道には屋台が沢山並んでいてにぎやかです。

日曜日と言うこともあって神社の境内や内濠沿いの桜を愛でる人たちで
靖国神社は大変混雑していました。

参拝をしたあとは内濠に向かいます。
靖国神社を出て内濠に到着するとそこはもう桜の世界が広がっておりました。
それは美しい桜の隧道でありました。

枝に頭がぶつかりそうです。

沢山の桜の木の下を大勢の人が歩いています。
千鳥ヶ淵緑道と呼ばれるらしいですね。
混雑時は左側通行してくださいとあちこちに書かれていましたが
それだと南から九段方面に歩く人はお濠を見ることが出来ません。
僕たちは南下する方ですから別にかまわないのですが
逆方向の人はかわいそうですね。
お濠の向こう側の土手に咲く桜もまた見物の一つですから
それは残念なことです。

近くに都営ボート乗り場がありました。そちらも大混雑でした。

一部葉桜に変わりつつあるもののほぼ満開に近い桜のトンネルをくぐり
しばらく歩くと千鳥ヶ淵戦没者墓苑の前を通りました。
入り口付近ではボランティアと思しき中年の男性が
数人で道路の掃除をしていました。
話には聞いていましたが千鳥ヶ淵戦没者墓苑を見るのは初めてです。
興味を持ったのでここに入ってみることにしました。
すると中は思いの外広くて奥に進むほど広くなる不思議な感覚です。
一番奥の献花台のある建物前の広場は大変な広さです。

広々とした千鳥ヶ淵戦没者墓苑

小生不明にも都心にこのような広大な戦没者墓苑があるのを知りませんでした。
帰宅後ネットで調べてみるとここは国営の無名戦没者の墓のようですね。
設立には色々紆余曲折があったそうです。

献花をして千鳥ヶ淵に戻ります。
この辺まで来ると僕たちは歩き疲れてしまって一休みが必要です。
あちこち見回しながら歩いていると「おかめ」と言う甘味処を見つけました。
お汁粉とかあんみつとかを食べさせてくれるところですね。
ここに入って僕は辛み餅を食べました。
柔らかくて大変美味しかったです。
子供の頃実家で年末恒例の餅つきの際に食べさせて貰った
辛み餅の味を思い出させる美味しいお餅でありました。
あのつきたての柔らかさをどうやって再現しているのか不思議でありました。

お腹に入れて一息ついた僕たちは今度は眠くなって
地下鉄の椅子型ベッドが恋しくなりました。
今回はこのくらいで帰ろうと言うことになりまして
永田町の駅で椅子ベッドになだれ込んだのでありました。

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