横浜関内



2007年04月30日


横浜関内
初めての昭和の日は日曜日と重なってしまいましたので
今年はその翌日の4月30日が振り替え休日でありました。
ただでさえ知名度の低い昭和の日ですが
ますます認知されにくい巡り合わせですね。
お休みなら素直に嬉しいですからみどりの日でも昭和の日でもいいですけどね。

そのゴールデンウィークの二日目に僕たちは久々に横浜に繰り出すことにしました。
僕たちも東京近辺に住んでいますので横浜くらいは行ったことがあります。
この「うしろだ旅行記」に見るだけでも
出来たばかりの赤レンガパークを見に行って入れなかったときとか
山手地区洋館巡りを楽しんだときとか
足が痛くて電車を避けて車で中華街まで行ったときとか
家族でお昼を食べに行って目指すお店を見つけられなかったときとか
という具合で数え切れないほどです。
4回ですね。

そのうえ実際にはその前にだって行ったわけですから
もう随分横浜には行ったわけですよ、ほんと。
わかったってば。

それで今まで僕たちが行った横浜を振り返ってみると
やっぱり中華街が中心なわけですね。
そこから元町や山手地区や山下公園や
みなとみらいを楽しんだりしていたのです。
今回は今まで目を向けていなかった
いわゆる横浜関内にを歩いてみようと考えたわけです。

横浜関内という地名は
吉田橋という橋を境に外国人居留地が造られていて
橋の近くに関門が作られていたため
関門の内側を関内と呼ぶようになったということです。
なるほど。
その吉田橋から港に至るまでの馬車が通る道を馬車道と呼んだのだそうです。

今回の僕たちの町歩きはみなとみらい線の馬車道駅からスタートしました。
馬車道駅は地下にありながら雄大な感じのする駅でした。

す、すばらしい馬車道駅

壁には一面の赤煉瓦を貼り付けて所々トマソンな感じの窓を配して
何より広大な吹き抜け空間を作ってここは日本じゃないみたいな感じです。
初めてこの駅に降りた僕たちの度肝を抜くのに十分な駅舎でした。

最初から驚くのはほどほどにして地上に出てみることにします。
地上に出た交差点からは遠くみなとみらい方面に
ランドマークタワーやクイーンズスクエアのビル群が見えます。

思わずそちらに行きたくなりますが今回は目的が違います。

ここから馬車道を南下して横浜開港当時を偲びながら散策して
吉田橋に至るという計画です。

これが馬車道ですね。

その計画の心意気はよかったんですけど
僕たちは馬車道駅を降りた頃より空腹に苦しめられていました。
馬車道を歩き始めると炎天下の日差しも照りつけて
ますます空腹が苦しく感じられるようになりました。
昼食を食べるところを物色してみましたがなかなか見つかりません。
あんまりこってりしたものは食べたくありません。
さっぱりしたものが食べたいです。
そういう入りたくなるようなお店は満員です。
このままでは
「横浜市街にて初老夫婦、店を選り好みして遭難」なんて記事が出そうです。

やっとの思いでサンドウィッチの店を見つけて人心地つきました。
このように僕たちは行く先々でしばしば昼食難民になります。
今回もかなりつらかったです。
今度から町歩きにはおにぎりを持って行こうかと相談したくらいです。

ところで空腹でも満腹でも馬車道の持つ魅力はかわりはなくて
途中で牛馬飲水と表示のある水飲み場を見たり
随所にある見事な彫刻に目を奪われたりしました。

最古式電話ボックスと牛馬飲水桶

のんびりと歩いていくとほどなくして吉田橋に達しました。

この橋が有名な鉄の橋(かねのはし)でありますね。

今は昔の鉄橋の面影を残した作りの橋に掛け替えられたのだそうです。

この吉田橋から向こうは伊勢佐木モールという商店街が延びておりまして
いわゆる伊勢佐木町なのでありますね。
青江美奈嬢の「伊勢佐木町ブルース」はこの町を舞台にした演歌のように思われます。
想えば吉田橋から南のこの地区は関内ならぬ関外なわけでして
そりゃ繁華街も出来るわけですね。
同じ馬車道の延長線上にありながら道に沿った町の雰囲気は
吉田橋を境にがらっと変わるわけです。
面白いです。

伊勢佐木モールに入ってすぐのところに
佐藤忠良氏の「若い女」という塑像を見ました。

佐藤先生ここにも作品を出されていましたか。すごい人ですね。

伊勢佐木モールの喧噪を楽しんだ後
今来た道を反対側の歩道で戻りました。
あちこちに見切れないほどのモニュメントがあり些か五月蠅いほどです。
それでも目を惹くものはありまして
「日本写真の開祖」の碑には心惹かれました。

昔風の箱形写真機が碑になっているのです。

馬車道をすっかり戻った僕たちはこれから横浜三塔物語を見に行くことにしました。
横浜には昔から
キングの塔(神奈川県庁)

威風堂々キングの塔

クイーンの塔(横浜税関)

なおやかにたおやかにクイーンの塔

ジャックの塔(横浜市開港記念会館)

進取の気性ジャックの塔

三つの塔があってそれぞれが見応えのある塔なのですね。
僕は何度も横浜に来ているのにこれまでこれらの塔を知らなくて
ただその前を素通りしていた訳なのですね。
知識がないのはもったいないことですね。

言われてみれば
キングの塔は重々しい感じがしますし
クイーンの塔は優美で美しい塔ですし
ジャックの塔はいかにもパワフルな感じです。
それぞれ造った人はそんなつもりはなかったでしょうが
後世の見事なネーミングであります。

途中横浜開港資料館という施設に入りました。入場料200円で
横浜開港の歴史を余すところなく伝えてくれるすばらしい資料館でした。
お勧めです。

三つの塔を鑑賞して満足した僕たちは
昔近くまで行って入れなかった赤レンガ倉庫に行ってみました。

今も大混雑の赤レンガパーク

さすがに今回はすんなり入れましたが
内部は狭い中に大量のカップルで溢れていて酸欠になりそうな混雑でした。
一回りしてみましたがどうやら僕たちの年代はターゲットではないようで
欲しくなるようなものはありません。
すごい混んでるし。

ここまで歩いて僕たちは精根尽き果ててしまいました。
疲れたです。
その後横浜ワールドポーターズを見て汽車道を通って
みなとみらい線馬車道駅まで戻ったのであります。
電車の中ではうとうとしっぱなしで
どうやって我が家に戻ったかあまり記憶がはっきりしません。
大丈夫なのか自分。

いや、たのしかったですよ、うん。

戻る




戻る