浜離宮



2007年01月04日


浜離宮
三が日最終日、東京の浜離宮恩賜庭園に行ってみることにしました。
東京は新橋のすぐ近くに大きく広がる公園らしい木森を見て
いつも不思議に思っていました。
この近くを通るたびにこの中はどうなっているのだろうと思っていたのです。
地図で見ると浜離宮という庭園らしいのです。
ガイドブックによると300円で見学できるらしいじゃないですか。
今回念願叶ってついにその浜離宮に潜入してみることにしました。
僕には庭園鑑賞のような高尚な趣味はありませんが
思いがけず見事な庭園に感じ入ることもありますので
浜離宮についても一度は見ておきたかった訳なんですね。
もとより自分の低い感性では庭園の良さが分からないおそれもありますが
それはそれ健康のための散歩と思えば
庭園散策もまた楽し、と言うわけですね。

ところで浜松町の駅に隣接するように
「世界貿易センター」と言う名前のビルがあります。
このビルの名前はつまりWorld TradeCenter(WTC)と言うのですから結構驚きます。
もちろんこのビルは911テロのずっと以前からあったわけですから
世界貿易センターと言う名前も問題はないわけですが
やっぱり911のあとこのビルを見る度に何となく違和感を感じます。
僕はこのビルのそばを何回か通っています。
羽田行きのモノレールを使うとこのビルのすぐそばを通過することになるのです。
でも「貿易センタービル」ですものね、貿易に関係ない僕には入っても仕方がない、
入るべきじゃない建物だったわけですね。
ところがガイドブックによると一般の人も利用できる展望台が
最上階にあると言うではないですか。
これは利用しない手はありませんですね。

僕と煙は高いところに上りたがるの例えの通り
そこに展望台があると聞いて登らないわけにはいきません。
世界貿易センタービルの展望台は40階にあります。
高さは150メートルほどだそうですから
東京タワーの大展望台の二階とほぼ同じですね。
ビルに登って展望台に着くとさすがに見事な展望です。
展望台は回廊のようになっていて一回りすると360度全方向展望できます。

これから行く予定の浜離宮は
最近出来たビルに視界を阻まれて良くは見えませんでした。
ビルの足下の旧芝離宮恩賜庭園は箱庭のように見えました。
更に回廊を進むとお台場方向が見えます。
レインボーブリッジやフジテレビの社屋などが良く見えます。
その先に回りますと東京タワーの見えるところに来ました。
東京タワーのすぐ先には六本木ヒルズのビルが見えます。

どちらも何度見ても凄い建物ですね。
とりわけ東京タワーの色褪せない魅力は不思議でさえあります。
東京タワーの手前には有名な芝の増上寺が見えます。
浄土宗鎮西派大本山であります。

展望台をあとにして一度駅に戻ります。

浜松町駅から浜離宮までのんびりと歩くことにします。
途中以前にカメラの修理に訪れたビルがあることに気づいて
その近くまで行ってみることにしました。
そうしたらそのビルに以前来たときと同じように
カメラの修理センターの看板が出ていました。
富士フイルムさん偉いです。
以前ここに来たときにその先に立っていたマストが気になって
ふらふらとその帆柱に近付いて
そのまま竹芝埠頭公園に遊んだことを思い出しました。

それで今回もまた竹芝埠頭公園の客になったわけですね、無料だし。
それにしても桟橋は面白いですね。
チケット売り場などを見学すると
新島や式根島に行く船、大島に行く船、小笠原に行く船、実に様々です。
客席は特等とか一等とか二等とか料金によって待遇が違うようです。
長時間の船旅ですので客席のランクはかなり影響がありそうですね。
ジェット船というのもありました。
早そうですね。
中に混じってレストラン船という食事をしながら
ちょっとだけ船を愉しむ遊覧船などもありました。
ちょっと興味があります。

竹芝埠頭公園に出て海を眺めます。
海と言ってもここは隅田川の河口付近でして
向こう岸にはお台場が見えます。
ここから北方向には有名な勝ち鬨橋を見ることが出来ます。

ここからしばらく歩いて浜離宮に入ります。
浜離宮はさすがにお正月だけあってなかなかの人出でした。
入り口のところに貼り紙がしてあって
午後二時から鷹匠による諏訪流放鷹術の実演があると言うではないですか。
一時間後です。
このような物はなかなか見る機会がない物ですので
あとで見学して行くことにしましょう。
庭園には海水を引き込んだ大きな池がありまして
その中ほどには瀟洒な和風の建物があって客にお茶を点てたりしています。
池を隔てて見るその茶屋の建物は美しくてまるで見事な一幅の絵です。

外国の人が心に描く日本、という感じですね。
惜しむらくはその借景とも言うべく背景が汐留の超近代建築であることでしょうか。
これが今の日本なのですから仕方がないですね。

更に奥に進むと水上バスの発着所があります。
浅草から水上バスに乗ると船は終点直前に
この浜離宮に寄り込んで客を乗り降りさせます。

僕たちが発着所に着いたときちょうど船が着いたところで大勢の客が降りてきました。
皆さん浅草から来たのでしょうか。

発着所から歩いてまもなく先程貼り紙で見た放鷹術の実演場所に着きます。
まだ時間は30分ほどありますが
椅子も用意されていることですし休みがてらそこに座り込みました。
鷹匠と思しき人たちが数人広場のあちらで立ち話をしています。
僕たちが座った場所は正面からはかけ離れていましたが
最前列で左右や後ろには次々と見物客が押し寄せてきます。
たちまち僕たちはそこから出ることが出来ない状態になりました。
椅子は木の板にシートをかぶせただけの物ですので座り心地はかなり悪いです。
海から吹き寄せる風が僕たちの体を冷やします。
始まるまでの30分間に僕たちの体はすっかり冷え込んでしまいました。
いよいよ時間が来て鷹匠の偉い人の話が始まりましたがこれが長い長い。
寒さに耐えている僕たちをよそに
放鷹術の歴史や国内での団体の活動、世界との関わりなど
今この寒空の中で聞かなくとも良いことを延々と語ります。
いい加減うんざりした頃
ようやく話が終わっていよいよ実技を見せてくれることになりました。

鷹を操る技術はたいしたもので
鷹匠から別の鷹匠に飛び移らせる「振り替え」や
樹上の鷹を呼び戻す「渡り」などの技を十分に見せてくれました。

また鳩を使って鷹を呼び寄せる「振り鳩」なども見せてくれました。
後半の目玉となったすぐそばの電通屋上からの
ハヤブサの急降下という演し物はうまく行きませんでした。
舞い上がったハヤブサが折からの強風にあおられて目標を見失ってしまったようです。
鳥には発信器をつけてあるそうですので後に回収できるというお話でした。
最後に希望者の子供二人を使った
鷹がウサギのルアーを捕まえるところを見せてくれました。
一人に子供の腕に鷹をとまらせて
もう一人の子供が引っ張るウサギのルアーに鷹が襲いかかるというわけです。
二人の子供の勇気と良く訓練された鷹に観客は感心して大きな拍手がわきました。
寒かったけれども大満足の諏訪流放鷹術の実演でありました。
今回もまた楽しく充実した町歩きなのでありました。
ちょっと寒かったけど。

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