神宮外苑本郷




2007年12月06日


神宮外苑本郷
秋も深まり今年も銀杏の季節であります。
それで前から気になっている
銀杏並木のポイントを見に行くことにしました。
都内には銀杏ポイントはいろいろあるんでしょうけど
筆者が知っているものは限られます。
そのわずかな知識の中で
紅葉の季節に行ってみたい都内の銀杏ポイントを二カ所を選びます。
二カ所しか知らないけど。

その一つは神宮外苑の銀杏並木です。
この銀杏並木は凄いですよ。
何しろ立体遠近法を取り入れた
遠くに行くほど背の低い木を植えてあるという
ビジュアル的なインパクトを目指したサービス精神満点な
すごい銀杏並木です。

都心部にある絶景ですね
以前ここを訪れた時は昨年6月でしたので
銀杏の葉もあおあおとしていました。
あれから一年半が過ぎてしまいましたが
今年も秋深くなってそろそろ銀杏の葉も色づいた頃だろうという訳ですね。
行ってみたら想像通りのすばらしい銀杏並木でありましたね。
立体遠近法の効果もあって凄い景色です。

ここの銀杏並木を見た後にちょうどお昼時になるので
入り口付近のイタリアンレストラン「SELAN」で昼食をとろうという計画です。
前に来た時にはレストランが混んでいて入れなかったので
今回はここで昼食をとろうという訳ですね。

今回も入れなかったSELAN
しかしこの日の外苑銀杏並木は以前にも増して大混雑でありまして
件のレストランではお昼は2時間待ちと言われてしまいました。

今日は一体何故これ程混んでいるのかと訝しく思っていましたところ
並木道の最後のところに
「神宮外苑いちょうまつり」と書いた立て看板を見ました。
なるほどこれが原因という訳ですね。
なるほど並木道が途切れたところで
大きな池の周りにたくさんの屋台が並んでいます。
なんだかお花見に来たみたいです。
どうやらこれはお花見の秋バージョンなんですね。

人でいっぱいの銀杏祭り
怖いもの見たさでさらにまっすぐ進むと
いつもは軟式野球場になっているところでも屋台が出て
真ん中の軟式球場は
一部がテーブルを並べた青空食堂として開放されています。

向こうに見えるのはヤクルトスワローズの神宮球場ですね

テーブルに向かいながら、あるいは歩きながら
皆思い思いに美味しそうにうどんや団子を食べている
様子を見るとここが神宮外苑であることを忘れそうになります。
神宮外苑はもっとお洒落な場所だったはずなのに!
老若男女入り乱れて楽しそうにお団子やうどんを頬張っているところを見ると
楽しければそれでもいいやって思ってしまいました。
それにしても誰が何のために
神宮外苑銀杏祭りをやろうなんて考えたのでしょうか。
聖徳記念館に失礼ですね。

そういう訳で昼食難民になってしまった僕たちは
もと来た道を戻って外苑前駅に向かいました。
運良く駅の近くで見つけたドトールでお昼をすませることが出来ました。
美味しかったです。

その後地下鉄銀座線で銀座まで乗って丸ノ内線に乗り換えて
本郷三丁目で下車します。
次に目指すは本郷の東大構内の安田講堂前の銀杏並木であります。

本郷三丁目の交差点には歯磨き粉で財をなした「かねやす」があります。

有名なかねやす
「本郷もかねやすまでは江戸のうち」とうたわれるかねやすですが
僕はこの交差点を幾度となく通過しているのに
かねやすのことを知りませんでした。
恥ずかしいことです。

「知らないことは恥ずかしいことじゃありません。知ろうとしないことが恥ずかしいことなんです。」
ずっと昔雑誌「面白半分」の中で牛坂浩二氏が語っていた言葉ですが
当時僕はこの言葉に強く感銘を受けて以後これを座右の銘にしてきました。
なんにも知らない僕にとって都合の良い言葉ですからね。

それはそうとして(どこの部分がそれはそうとなんだ!)
東大の構内は銀杏の木であふれていました。
建物の角を曲がると
ここにも、またここにも、と言うように
次から次へと見事な銀杏の木が並んでいます。

正門近くから赤門方面を望む
構内のあちこちでイーゼルをたてて絵を描いている人がいます。
立ち止まってその絵を見ている人もいて
僕には気恥ずかしくて外で絵を描いたり出来ないなと感じたのでした。
あの人たちはよほど自分の絵の世界に自信があるのでしょうね。
すばらしいことです。

安田講堂前の通路は両側に銀杏の木が立っていて
道が広くない分銀杏の迫力を感じます。
惜しむらくは神宮外苑前と比べて枝の伐採を繰り返してあるため
太い幹から拳骨のような枝が空に向かって突き出されていて
その周りに銀杏の葉が茂っているため優美さに欠けるようです。

銀杏並木の向こうに安田講堂が見えます
この銀杏並木の頑丈な感じが
周囲の明治期の煉瓦造り校舎によく似合っていたのは興味深かったです。

せっかくここまで来たので三四郎池ものぞいていくことにしました。
聞くところによるとこの池は奥まで進むと一周できるのだそうで
今回は一回りしてみることにしました。
しかし流石に奥の方に進むと
通路はきわめて狭く不安定な石で作られた階段や
飛び石を渡るように歩くところなど
パンプスで同行した家人には気の毒なコースでありました。
しかしこんな奥地でもわずかな広場を見つけて
絵を描いている人を見て驚きました。
絵を描く人にとっては
足場よりも描きたいものがあることの方が大切なのだと
当然のことに気づかされたのでありました。

三四郎池奥地から紅葉を愛でる

ここまで歩いて疲れてきたので家に帰ろうと言うことになりましたが
構内の端っこに東京大学総合研究博物館を見つけて
これを見てから帰ることになりました。
博物館はちょうど、
異星の踏査「アポロ」から「はやぶさ」へ、と言う企画展をやっておりまして
月の石(!)が展示されていてきわめて興味深かったです。
すっかりアカデミックな気分になった僕たちは
このあと後楽園までを徒歩で移動して
ラクーアを通り抜けて丸ノ内線の後楽園駅でメトロの客になったのでした。

クリスマスを控えたラクーア

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