都電荒川線




2004年02月19日


都電荒川線
昔はどこにでも走っていた都電ですが
今はわずかに一路線を残すのみとなってしまいましたですね。
早稲田大学のそばに都電荒川線の起点駅の早稲田駅があります。
今回は都電に乗ってみることにしました。

早稲田大学を横ぎるかたちで
駅で貰った地図を見ながら早稲田駅に向かいます。
この日は大学の教育学部の試験日だった模様で
いつもは広々開放されている門の部分が
固く閉ざされてガードマンが人を近づけない厳戒態勢であります。
こうして試験をするのかと少々驚きました。

なんだか張りつめた雰囲気の早稲田大学を通り過ぎて
いよいよ早稲田駅に着きます。

早稲田駅は流石に都電にしては大きな駅でして
少しですがパンフレットなどが自由に貰えるようになっています。
ここで都電の情報誌を一冊いただいて早速電車に乗り込みます。

                                  都電にしては立派な駅であります

始発駅のこの駅では
発車の時点で小生を含めて三名の乗車でありました。
都電荒川線の経営危うしと感じました。

ところがこれがさにあらず
路線を進むほどに乗降客が増えて
幾つか駅を過ぎるともう座席は満席
吊革につかまる人が出て
その後は終点の三ノ輪まで
立っている人がいない時がない状態が続きました。
都電荒川線はなかなかの繁盛なのでありました。

何より驚いたのはその数の多さですね。
すれ違う車両がものすごく多いのです。
さっき対向車両とすれ違ったばかりなのに
もう次の車両が来るので驚いてしまいます。

                           向こうの電車は駅に停まっているところですね
このぶんでは少し急ぐと前の車両に
追いついてしまいそうなほど便数が多いのです。
それがみなそこそこ混んでいるのですから凄いですね。
都電は庶民の足として未だ欠かせないものだと実感しました。

早稲田から出た電車は
面影橋から学習院下を抜けて鬼子母神前を走ります。
今更ながら東京の思いがけない狭さと密集度を感じさせられます。
だって早稲田のあとすぐに学習院下ですものね。
地図見ると当たり前ですけどね。
サンシャインを抜けて大塚の駅に着く頃には
都電の風景にも慣れてきましたが
大塚の駅に着く直前の急勾配は少し怖かったです。
それまで調子よく飛ばしていた運転手さんが
精一杯の減速をしながらそろそろと坂を下る様子が更に恐怖をあおります。
だって脱線しそうな感じの線路なんですよ。

                                        渋い雰囲気の大塚駅舎

大塚駅は路線中最大級の乗降駅で
乗っている人が大挙して降りて同じ位大勢の人が乗ってきました。
ほとんどお客が入れ替わった感じですね。

少し走ると西ヶ原という街を通ります。
この街には叔母が住んでいたので昔はよく来ましたが
いつも車で来ていたので電車の車窓から見てもピンと来ません。
それによく来たのは30年前のことですからね。

滝野川あたりから大勢の女子高生が乗ってきました。
車内は一挙にかしましいおしゃべりに溢れます。
一部女子高生とは思えない荒々しい言葉遣いの子がいて耳障りでしたが
あの年代特有の露悪趣味なのでしょうね。
困ったものです。

予想どおり王子駅前で乗客がほとんど入れ替わって電車は更に進みます。
荒川車庫前まで来たときに
何を思ったか運転手さんは突然降りてしまいました。
すぐに別の運転手さんが乗り込んできて
ここからは私が運転しますと宣言しました。
どうやら荒川営業所で待機していた運転手さんと交代したようです。

新しく乗り込んだ運転手さんは
それまでの若い運転手さんとは違って
家に帰れば孫がいそうなベテランの運転手さんでした。
この人は発車するときも
「電車動きます」と一声かけてくれるので
乗っている方は安心です。
それまでの寡黙な運転手さんと随分違います。
同じ仕事でも人が変わると随分違ってくるものですね。

全線を通じて言えることですがお年寄りの乗客が多いですね。
お年寄りは皆さん無料パスみたいなものを持っているみたいで
気軽に利用しているふうでした。
良いことですね。
子連れの若い夫婦も時々お見かけしました。
平日の日中にちょっと意外な感じです。

無事に三ノ輪の駅に着いてからは
三ノ輪の商店街をぶらついてから
地下鉄半蔵門線の三ノ輪駅を探し出して帰路につきました。
半蔵門線の三ノ輪駅の全景を写真に撮っていたら
例の全国展開している赤いジャンパーの会社の人が
さりげなく僕のカメラのフレームに入ってきました。
末端まで行き届いたその商魂に感服いたしました。

                         地下鉄三ノ輪駅の看板は汚れています。何故?
                         どうせもうじき東京メトロの看板に掛け替えですね

ところで僕の中では昔懐かしいと思っていた都電でしたが
それはとんでもない思い違いで
都電荒川線はばりばりの現役路線なのでした。
愚かな思いこみに反省しきりなのでありました。

戻る





戻る