青山



2008年07月14日


青山
東京青山に青山ユニマット美術館と言うお洒落な美術館があります。
そこで「シャガールとエコール・ド・パリコレクション」と言う
絵画展があると聞いて行ってみることにしました。
小生が通っていた大学のそばにシャガールという名の喫茶店があって
時々利用していた身としては
シャガールというとコーヒーとケーキを思い出してしまう
間違った連想が身についているわけですね。
それではいけないですのでこれを機会に
正しいシャガール像を頭の中に構築し直そうと思いましたですね。
パチパチ。
併せてエコールドパリのお勉強も出来ちゃうわけですから
これはもう行かない手はないですね。

いつものように日曜日の昼食を食べてから
ゆっくり腰を上げての東京行きです。
有楽町線の永田町で半蔵門線に乗り換えて一駅の
青山一丁目駅で下車します。
ここから歩いて5分だそうですから
青山の風を吸い込みたい僕たちにとってはちょうど良いですね。
地上に出て青山通りを少し南下すると
このサイトでも何回か出てきている
神宮外苑の銀杏並木を見ることが出来ます。
銀杏並木は相変わらず壮観で突き当たりの絵画館も
遙か遠くに見えながら重厚な存在感を漂わせています。
前にも書きましたが奥の方ほど背の低い銀杏を植えてあるのだそうで
一種詐欺的な立体遠近法ですね。

好きです、こういうの。

少し歩くと目指す青山ユニマット美術館につきます。
青山ユニマット美術館はオフィスコーヒーサービスの
ユニマットグループにより運営されている美術館なのだそうです。
そういえば筆者が昔働いていた職場にも
ユニマット社のコーヒーメーカーが置かれていて
いつでもコーヒーが飲み放題だったのを思い出します。
あの費用は誰が出していたんだろう?

ユニマット美術館正面
「シャガールとエコール・ド・パリコレクション」は
素晴らしい展覧会でした。
シャガールの絵は凄いですね。
もう、キテます。イっちゃってます。どっちだよ。
僕は絵画の中にメッセージを隠してあるというのは好きじゃありませんが
(そんなことわかるかよって感じですね)
シャガールを見てそんな頑なな心は消えて無くなりましたですね。
絵の中に込められた想いがわかりやすいんですね。
それも小生の思い違いかも知れませんが
この展覧会で僕はシャガールがすっかり気に入ってしまいました。
絵は買いませんけどね。

併せてエコールドパリコレクションですがこれはもう圧巻でしたですね。
ピカソとか藤田とかキスリング、カバネル、ムンク、モネ、・・・という具合で
とにかく盛りだくさんなんですね。
どの絵も素晴らしかったです。

藤田嗣治の絵はきわめて印象的でした。
女性の裸体画の皮膚の白さを
微妙な濃淡を付けることで際だたせる技術は素晴らしいものです。
当時のヨーロッパの人たちに陶器を見ているようだと絶賛されたそうです。

素晴らしい絵をたっぷり鑑賞してすっかりアカデミックになった僕たちは
少しでもこの感覚を家まで持ち帰ろうと思いまして
一階に併設のミュージアムショップに立ち寄りました。
ここで画集なんか買っていくと
いつでも絵を見直すことが出来るというわけです。
でも画集を買ってしまうと家まで持ち帰るのが重いし
実際買った画集をもう一度家で見ることは少ないことも
小生は知っています。
大人ですね。

ところでこちらのお店は画集や解説本などの絵画関連書籍のほか
ボールペンやクリアファイル、マグカップなど
多彩な商品が置いてあります。
ここで筆者は面白いスプーンに目を奪われました。
スプーンは三種類あってそれぞれ
持つところに笑っている顔と怒っている顔と叫んでいる顔が
付いているんですね。

もう気になって気になって仕方がありません。
これを買わないで帰ったら
きっと来週の日曜日にはこれを買うために
またここに来ちゃいそうです。
これはもう買うしか有りませんですね。
仕方がありませんのでこのスプーンの3本セットを購入して
これ以上買い物したくならないうちに
このショップを後にしたのでありました。

街に出るとさすが青山、お洒落な小道があちこちに伸びています。

やっぱ青山は違いますね。
その中の一つに迷い込んでいくと
奥に有名なマーケットの「ピーコック」がありました。
店内には面白そうなものがいっぱいです。
一番奥の方にワインを並べてある場所がありまして
その棚に興味深いものを見ました。
一つはワインボトルに装着するだけでボトルからグラスに注ぐときに
自然にデキャンタ効果が期待できるというものです。
便利そうじゃないですか。
もう一つはシャンパンのコルクが
開栓時勢いよく飛んでゆくのを防ぐ補助具でした。
どちらもものすごく魅力的でしたが
さっき買ったスプーンとの決定的な違いは
こちらは very expensive であるという点ですね。(なぜ英語?)
手が届かないものを眺めていても仕方がありませんので
お店を後にして再び街に出ます。
もう少し歩けば青山通りは表参道と交差します。

途中で僕たちは善光寺と言う耳慣れた名前のお寺を見ました。

堂々とした善光寺山門。
善光寺というのはあの中国のチベット人弾圧に抗議して
長野の聖火出発点を辞退した
気骨のあるあのお寺と同じ名前ではないですか。
興味を持って近づいてみると信州善光寺別院と書いてあります。
まさしくあの善光寺の関連のお寺なんですね。
嬉しくなって本堂まで行って手を合わせて参りました。

ここで善光寺にお会いできるとは。

善光寺を辞して更に歩くと表参道との交差点に至ります。
ここを右折して副都心線の明治神宮前駅を目指すコースですね。

表参道はいつ通ってもハイカラな街ですね。
ハイカラって言ってる時点でハイカラじゃないよ。
道行く人がおしゃれなら街のたたずまいもお洒落な
まるで欧米の町並みがここだけ移植されたみたいです。
全てがセットの中にいるような
現時離れした町並みがここにはあります。

不思議な街なのであります。

この通りには甲状腺疾患の専門病院として有名な
伊藤病院が有ります。
僕は幾度となくこの前を通っているのに
いつも見落としていたので今回初めて
ちゃんと確認できて嬉しかったです。

なぜって言われても困りますけどね。

更に有名な表参道ヒルズを通過すると
いよいよ表参道と明治通りの交差点に出ました。
あたりは何かあったのか思うような人混みです。
逆に何かあったらひとたまりもないだろうと
思わせるに十分な混雑振りでした。

東京、人が多すぎですね。
だからって特に名案はありませんけどね。
僕も東京大好きだし。

ともあれこの交差点の地下にある副都心線の明治神宮前駅から
一路我が家を目指してメトロに乗って
熟睡しながら帰宅する離れ業を演じたのでありました。
いつもそんなだし。

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