鳩山会館



2006年11月19日


鳩山会館
文京区の音羽に鳩山会館という建物があります。
かの有名な鳩山一族の住まいだったところですね。
鳩山家は衆議院議長で弁護士だった鳩山和夫氏から始まって
その長男の内閣総理大臣になった鳩山一郎氏、
さらにその長男の外務大臣をやった鳩山威一郎氏、
そしてその長男の民主党代表になった鳩山由起夫氏、
おまけに次男の文部大臣、労働大臣になった鳩山邦夫氏と言う具合で
この家には政治家の人材が綺羅星の如くです。

その有名な一家の鳩山一郎氏の代に建てた鳩山邸が
今回見学した鳩山会館です。
別名音羽御殿とも賞された瀟洒な建物です。
しかし一郎の死後傷みが激しく建物の存続も危ぶまれましたが
平成7年に改修の上、鳩山会館として利用されるようになりました。
こうして明治大正の建物が保存されるのはよいことだと思います。

僕たちは有楽町線の江戸川橋の駅から鳩山会館を探しました。

地下鉄の駅は目立ちませんね。

駅構内の掲示板にも鳩山会館の表記はなくて
意外に探しにくくて困りました。
やっぱり現在も有力政治家に繋がる家系だけに
色々なところに易々と宣伝をして貰うわけにはいかないのでしょうか。
仕方がないので住所を見ながら探し歩いたのでした。

行ってみると意外に簡単でして
鳩山家の入り口には目立たないけど大きな門柱が建っていて
そこに目立たなく鳩山って書いてあるんです。

門の大きさは目立ちます。

門から葛折りになっている坂を登ると視野が開けて
鳩山邸とその庭があります。
鳩山邸の玄関には豪邸特有の車寄せがあります。

ここで靴の泥を玄関マットで払って玄関の階段を上ります。
日本を代表する名門一家の玄関を前にして
なにやら胸引き締まる思いです。
いや、今は鳩山さんは住んではいませんけどね。

玄関を入るとすぐ左に入場券を売ってくれるところがありました。
上品な中年女性がお二人でチケットを売っていらっしゃいました。
一人500円です。
建物内は写真撮影を咎めません。
各種撮影機材を無断で持ち込むのは禁止だそうですが
ふつうの個人用のカメラで写真を撮るのはかまわないのだそうです。
太っ腹ですね。

その太っ腹に甘えて何枚かの写真を撮らせていただきました。
さすがに一時代を築いた一族のお住まいは
贅を尽くした手の込んだ物でありました。

まず最初に入場したところで鳩山家の簡単な歴史の説明DVDを見ます。
もうこれだけで鳩山家を理解できるくらい簡潔明瞭な見事なビデオです。
鳩山家を理解したところで館内の探検に出かけます。

一階部分の応接間やサンルームは
往年の鳩山家の人々がくつろいだり歓談したり
時には政治家が集まって議論したりしたのが想像できるようで
威一郎氏から後の鳩山家のメンバーのお顔を
新聞やテレビで存じ上げているだけに
きわめて興味深かったです。

真ん中の椅子が鳩山首相の椅子ですね。

まだ幼い由起夫氏と邦夫氏はこの部屋で
走り回って遊んでいたのだと思うと興味深いというものです。
失礼な想像だとは思います。

また鳩山一郎氏の記念室は圧巻で見る者を圧倒します。
日ソ交渉の際のフルシチョフとの会見時の日記や
後の奥様の薫子さんへのラブレターの数々や
あげくに石膏のデスマスクなど驚きの展示品でおなかが一杯です。
凄い部屋でありました。

サンルームには無料の給茶設備がありまして
ここで一口のどを湿らせて庭のバラや盆栽を眺めながら
鳩山家の一員になった気分を味わいます。

広々明るいサンルーム、自由にお茶を楽しめます。

二階に上がる広い階段の踊り場を見下ろすように
窓に見事なステンドグラスがはめ込まれています。
五重塔と思しき建物の上を鳩が舞っている美しいステンドグラスであります。

非常に美しい階段のステンドグラス。よく見ると二重構造になっています。
この家には随所に鳩を描いたステンドグラスが配されていて
鳩山の名前に誇りを持っていたことを伺わせます。
そんなに自己主張しなくても良いのに。

階段を上りきったところに警備員の男性がいました。
僕たちが登っていくと
「今日は」と挨拶をしてくれます。
不逞の輩が登ってこないかと見張っているようです。
邸内の貼り紙によると
心ない雑誌に鳩山会館内で
ゴシック・ロリータ&パンクと行った系統の
コスプレの撮影会を推奨する記事が出たため
非常識な撮影を楽しむ入館者と会館側にトラブルがあったようです。
警備員さんの役割もそんなところにあるようです。

二階には鳩山薫氏、鳩山威一郎氏の記念室があります。
また二階の真ん中にはいくつかの部屋をぶち抜いて
真新しい会議室を作ってあります。
これを利用者に貸し出すシステムです。
これらの営業がこの会館の維持管理の原資となっているようです。

建物を出て庭に出てみると鳩山家初代の鳩山和夫春子像がありました。

像に銘はありませんでしたが後でパンフレットを見ると
作者はあの朝倉文夫氏なのだそうです。
朝倉文夫氏と言えば朝倉彫塑館のあの人ですよね。
これもびっくりでありました。

庭から見た鳩山邸は壮麗にして威風堂々
やっぱりさすがの鳩山邸なのでありました。

鳩山邸を辞した時はすでに一時になっていました。
まだ昼食を摂っていなかった僕たちはここに来る途中物色しておいた
レストランに立ち寄ってみましたがとうにお昼を過ぎたというのに満席で
あわや昼食難民になったかと思いました。
気を取り直して鳩山邸の坂を下りたところで見かけた
お寿司屋さんののれんをくぐりました。
そうしたらこちらは全くお客さんが入っていません。
ランチの「にぎり」を頼んで待つこと数分、
800円じゃ安い、安すぎる絶品のお寿司をいただきました。
美味しかったです。

戻る




戻る