日本橋再訪



2011年02月06日


日本橋再訪
前回のホキ美術館は楽しかったんですけど凄く寒かったです。
「やっぱり冬に町歩きをするのは堪える年になったのじゃわい」と
しばらくおとなしくしていようと思ったものでした。
家にいればたまった仕事も片付くし、よく考えるとそれほど暇じゃないし。
と、思っていたんですけどこのところの暖かい気候に誘われて
足がむずむずしてしまってちょっと出かけなくちゃ気が済まないんですね、足が。

そういうわけで今回は日本橋周遊であります。
例によって有楽町線で銀座一丁目まで地下鉄に乗ります。
有楽町線のおかげで僕らにとって銀座は大変行きやすい町です。
世界でも名の知れた町が手の届くところにあるのは幸せなことであります。
残念ながらそこで売っているものにはほとんど手が届かないのですけれど。
ま、ウインドウショッピングの町と言うことで。

と思っていたらいつの間にか中国の旅行者が
お金持ちになって銀座を我が物顔で歩いているではないですか。
中国人凄いですね、もうODAやめましょうよ。
それはそうと地下鉄銀座一丁目の階段を上って
地上に出たらそこはホコテンでした。

銀座のホコテン。まだ始まったばかりの時間です。人出はこれからです。
秋葉原のホコテンは再開されたものの
お巡りさんと地元の警備のおじさんばかりが多くて
すっかりつまらないものになりはてていますが
こちらの銀座は依然と変わらぬ上品なホコテンが続いています。
変わらないと言うことは素晴らしいことです。

歩道の街灯には小さな垂れ幕が下がっていて
近く東京マラソンが開催されることを示しています。
筆者の先輩はこのマラソンに幾度も申し込んで
なかなか当選しないのだそうです。
「当たれば出場するんですか」と尋ねたら
「もちろん走る」とのお返事でした。
元気です。
確か筆者と同じ年のはずです。


あこがれのミニクーパー屋さん。もう少し安ければ買うんですけどね。
道路に面してミニクーパーのショウルームがあります。
小生はあのかわいらしいミニクーパーが大好きで
いつか乗ってみたい車の一つなのです。
昔ミスタービーンが乗っていたミニクーパーが小さくていいのですが
時代の流れで現代的なデザインになってしまいました。
いずれにしてもいずれは運転してみたいものです。
ミニクーパーの反対側にお仏壇の「はせがわ」の店があります。

お仏壇のはせがわ♪ 意外にも店内には可愛らしいおひな様が。
店内には大変かわいらしいガラス工芸のおひな様が展示販売されていました。
そういえばもうすぐおひな様の季節であります。
飾られているおひな様はあくまでも透明で
ガラスの内部に施された色鮮やかな美しい飾りも魅力的です。
特殊な製法で作られた芸術作品です。

おひな様に見とれていては銀座にとどまったままですので
ここから京橋を抜けて日本橋に向かいます。

ところで最近「そばもん」という漫画を愛読しておりまして
この漫画を読んでいるとだんだんおそばが食べたくなる
と言う構成になっておりまして今回のお散歩では
お昼はおそばを食べたいものだと思っていたわけです。
適当なおそば屋さんはないかと物色していたら
京橋に「紅葉川」というおそば屋さんがあることを知りました。

日本橋のそば屋ですよ。はやく食べたい!
お店の前には「自家製粉石臼挽き手打ちそば」って書いてありました。
いやが上にも盛り上がるわけです。

天せいろとせいろを頼んで
天ぷらは二人でバトル方式で楽しくいただきます。
おそばも大変おいしくてもう大満足です。
お昼を食べたからには少し歩き回らなくてはいけません。
だいいち歩きに来たんだし。

言ってるそばから僕たちは興味深いバスを見つけて
それに乗ることにしました。
メトロリンクバスといって日本橋と東京駅付近を走り回る無料バスであります。
同じコースをぐるぐる回っています。

10分間隔運行がうれしい巡回バス。無料だし。
名前の通りメトロを結ぶ目的のようですが
僕たちのような観光客も混じっているようです。
バスを見かけた日本橋三丁目バス停(DICビル前)から
メトロリンク日本橋に乗ります。
DICというのは元大日本インキ化学工業株式会社のことで
この会社は千葉の佐倉にある川村記念美術館の親会社ですね。
あの美術館は素晴らしい美術館です。
バスは10分間隔で走っていてかつ無料ですので大変気軽に利用できます。
てか、これ以上気軽はないですね。

我々はバスも楽しんだので先ほど乗車したDIC前までは行かないで
その手前の日本橋南詰COREDO日本橋前でおりることにしました。
日本橋は大変有名な橋ですが
惜しむらくは橋のすぐ上に無粋な高速道路が走っていて
その景観を著しく損ねています。

この風景はいつ見ても日本の恥ですね。
首都高建設当時用地買収の困難さを考えれば
川の上に高架を作りたくなったのもわかりますが
今から見るとやっぱり文化的じゃなかったですね。

やっぱりまずいでしょう、このままじゃ。
かといって今から用地買収は出来そうもないですね。
地下にでも走らせますかね。
日本橋を渡ったところに
道標日本国道路元標という碑と
東京市道路元標という碑がありました。

日本国道路元標。
ここが日本の道路の起点だという標識ですね。


こちらは東京市道路元標。何ももう一つ建てなくたって良いのに。
やっぱそうですよね。

目の前に三越南館があります。
そのむこうには三越本館があるわけです。
道の反対側に「奈良まほろば館」という建物がありました。
奈良のアンテナショップですね、きっと。
店の前にはあの不気味なお地蔵様に角が生えたような
「せんとくん」が立っていました。

不気味さ全開せんとくん。だいじょうぶか、奈良県。
あれをマスコットにした奈良県の真意がわかりません。
あの気持ち悪さに負けないくらいの
奈良好きだけを店内に受け入れようとしているのでしょうか。
僕は奈良が大好きなのでせんとくんを見ないようにしながら店内に入りました。
店内で奈良大和路観光マップをゲット、また奈良に行く日までの友とします。
せんとくんが消えた頃に行くことにしましょう。

奈良まほろば館を出てさらに進むと
「日本橋にいがた館NICOプラザ#2」というお店がありました。

今度は新潟のアンテナショップです。
こちらは新潟県内の企業が
都内で商談したりビジネスチャンスを広げるために作られたのだそうです。
店の前に当地から来たと思われるかわいい雪だるまが置いてありました。

今年は関東にはほとんど雪が降っていませんから余計に可愛いですね。
ここで少し脇道にそれてみたら
日本橋鮒佐という佃煮屋さんのビルの前に句碑があって
「発句也松尾桃青宿の春」と書いてあるのです。

これは松尾芭蕉の句碑なのだそうです。

おいしいソフトクリームで有名な
みかどコーヒーを見ながら中央通りに戻ります。

ソフトクリームは大好きですが寒いので今回は遠慮します。

中央通りに面して「にほんばし島根館」がありました。

なかなか遠くて行けない島根県です。
島根館は島根県の物産が豊富に販売されていまして
食べ物だけじゃなくてひな人形や起き上がり小法師などもあって
大変楽しかったです。

中央通りをさらに北上すると今度は「コレド室町」という建物に出会います。

真新しい「コレド室町」。ここは「コレド日本橋」と棒組ですね。
コレド室町の中に「にんべん」の「だしバー」というのがありました。
だしを小さな紙コップで安く楽しませてくれるのです。
お昼時にはかつおぶしご飯(猫まんま?)、おにぎりなんかもあるのだそうです。
おいしそうです。
ここで「いろまめほへと」という
納豆をフリーズドライにしたというお菓子を買いました。
同じフロアに金箔を取り扱う「箔座」というお店がありました。
いろいろな金箔製品が飾られていて金箔の持つ迫力に圧倒されます。
さらに奥にある金の洞窟には驚かされます。
この洞窟は小さな入り口から中にはいることができて
金に囲まれた空間に身を置くことになります。

金の洞窟!
凄いですけど周りの壁にさわっちゃいけないので落ち着きません。
あんな高そうな空間には長居できないです。
ここから三越前を銀座方向に戻ります。
日本橋を渡ると飴で有名な榮太郎本社ビルがあります。
道の反対側にはコレド日本橋、高島屋があります。
高島屋の向かいにある丸善に寄り込んでみます。
特に買うものはないのですが
面白そうな時計や地球儀に目を奪われます。
お金が余っていれば買っちゃいそうなものばかりです。
残念ながらその心配はありません。
丸善から出ると道の向こうのDICビルに気がつきました。
あのビルはさっき僕たちがメトロリンクバスに乗ったところです。
僕たちは意外に遠くのバス停でおりていたのだと驚きました。

続いて明治屋に寄り込んでみます。
ここでも買うものはありませんが
並べられている商品は海外のものが多くて面白そうなものがいっぱいです。

銀座と京橋の境目あたりに
「京橋の変遷」と銘打った写真シリーズが掲示されていました。

明治の京橋。


昭和の京橋。
明治35年から昭和37年までの
京橋付近の風景写真15枚を集めて拡大掲示したものです。
歴史的価値を感じさせるきわめて興味深い写真集でありました。

今回もすっかり歩き疲れて満足して帰路についたのでした。

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