お茶の水から神保町
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筆者は高校を卒業してすぐには大学に行かず
無為に時間を過ごしていた時期があります。
そのころ時々兄が通っていた大学のあるお茶の水の街を徘徊しました。
僕なりの青春時代です。
長じてからも三省堂を中心として神保町界隈の書店街には
日常的に遊んでいました。
現在も小生の遊ぶところは神田か秋葉原が定番であります。
もちろんほかにも行きますが低頻度です。
そう言うわけで今更街の散歩も妙ですが
ある時は明治大学のリバティタワーに驚き
またあるときは山の上ホテルのたたずまいに感激して
来るたびに違うものを見ているのも事実ですので
散歩ごとの発見もあるわけです。
今回はそう言う意味で
見慣れた街を新鮮に感じる街歩きにしてみたわけですね。
普段の観察が鈍いとこういうときに未発見のことが多くて便利ですね。
まずは丸ノ内線で御茶ノ水の駅に降り立ちます。
階段を上ると出口が二つに分かれます。
普段は迷わず右に進みますが
左に行くと東京医科歯科大学と書いてあります。
なんだか面白そうじゃないですか。
そのまま階段を上がったら
まさに医科歯科大学の構内に出てしまいました。
これはちょっと驚きでしたね。
駅と大学が一体化しているんですね。
威容を誇る東京医科歯科大学
大学の庭先をかすめるように階段を下りて道路に出ます。
不法侵入者になったような気分です。
もうちょっとわかりやすくしておいて欲しいものです。
でも付属病院があって入院患者さんが多いので
立ち入り禁止にも出来ないんでしょうね。
東京医科歯科大学はこの１０年ほどの間に
新しい建物が加わって大きく変わりましたね。
以前に比べて凄く立派になりました。
医科歯科大学の隣には順天堂大学があります。
国立と私立の違いがあるとは言え医系の大学が
隣同士に並ぶのはいかがなものかとは思いますが
昔から隣であるなら仕方のないことでありますね。
歴史と伝統の順天堂医院
順天堂医院はお隣の医科歯科大学病院と同じくらい大きくて立派です。
さすが古くからの名門病院であります。
昔同じ場所にあった順天堂医院も重みがありましたけど
新しくなった順天堂医院の巨大なビルも迫力があります。
お茶の水橋から聖橋方面を望む。秋葉原の高層ビルが見えますね
ここから御茶ノ水駅に戻りましてJR御茶ノ水駅前交差点に出ます。
交番のあるスクランブル交差点ですね。
秋葉原方面もとい聖橋方面に歩くと
洋書の丸善や画材屋さんの檸檬などがありますね。
飯田橋方面には道路沿いに
医学書のお茶の水書院やたくさんのファーストフードのお店があります。
そして神保町に向かって坂を下ると右に明治大学アカデミーコモン
左に杏雲堂病院、日大病院、元の主婦の友会館がありますですね。
いやもっといろいろあるけど。
この坂はあの宮沢賢治が旅館に投宿ののち
発熱で身動きがとれなくなったところですね。
明治大学の校舎が連なる間を走る道路の奥には
あの有名な山の上ホテルが見えたりします。
有名な山の上ホテル遠景。文化人が利用するのだそうです
明治大学のやリバティタワーを右に見ながら
なおも坂を下ると駿河台下の交差点に出ます。
この交差点のすぐそばに三省堂書店があります。
交差する道路は靖国通りでして
秋葉原方面から来たこの道路は
三省堂の前で大きくカーブして南に向かいます。
このあたりから靖国神社の大鳥居が見えてくるわけです。
僕らはこの靖国通りに沿って本屋街を散策します。
本屋街は主に古本街でありまして
これらは洋書専門とか戯曲専門、美術専門、映画専門というように
優れて細分化されております。
門外漢にはわからない世界ですね。
そう言うわけでこれらの店にはいることは無く
ただその古本街の雰囲気を楽しむという
無駄に本屋街を混雑させる客であったわけです。
ただ無学無教養の僕らにしても時間が来ればお腹も空きますので
少し小腹を入れようと言うことにもなりますので
その点ではこの街に少しは貢献できるというわけですね。
ってそれだけかよ。
古書店街の裏道に入ったところに
「ラドリオ」という風情のある喫茶店を見つけてここに入りました。
いかにも昔からやってますという感じの古びた薄暗い喫茶店でした。
コーヒーはなかなか美味しかったです。
静かにコーヒーが飲めます
隣の席では大学教授じゃないかという感じの初老の紳士と
中年の女性と若い女子学生が文学論を語り合っていました。
聞くともなく聞こえてきた話の中で「僕は５２歳だから・・・」
と教授が言ったのには驚きました。
この初老の教授は僕と同い年だったのです。
僕もああいう風に見えるのか！ショックでした。
この近所にはほかにもいくつかの有名な喫茶店があるらしく
古くからの喫茶店街ですね。
最近は喫茶店はファーストフードに客を奪われて苦戦していると聞きます。
でも僕は昔からの喫茶店が好きです。
是非いつまでも続けて欲しいものです。
神保町らしい喫茶店を見つけて
美味しいコーヒーを飲んだ僕たちはすっかり満足して
あとは家に帰ることにしたのでした。
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