箱根ラリック美術館



2011年05月01日


箱根ラリック美術館
箱根にルネラリックの美術館があるというので行ってみることにしました。

新宿発箱根行きバス車内。
箱根に行くのは新宿から小田急線で箱根湯本に行くのが一般的です。(たぶん)
でもそのコースだとそのあと箱根登山鉄道で強羅まで行って
そこからバスに乗っていくことになりそうです。
ほかにもいろいろコースがありそうですがわかりにくいです。
それで今回我々は新宿から高速バスに乗って
ラリック美術館のすぐ前まで行けるコースを選びました。
これだと新宿から乗り換えなしで行けるんですからとっても便利です。
ただ小生にはバスの車内は狭くておしりが痛くなっちゃいました。
登山鉄道も混んでるときは結構大変ですからどっちが良いとは言えません。

でもやっぱり美術館の目の前で降りられるのは魅力ですね。

家人はルネ・ラリックが大好きで
この美術館はすでに3度目だそうですが小生は初めてです。
いつの間に経験値を上げたのですね。

ルネ・ラリックは19世紀から20世紀のフランスのガラス工芸家です。
有名なガラス芸術家ですから何度か目にしています。
世田谷の庭園美術館の旧朝香宮邸の内部のガラス装飾もラリックだそうです。
高山の飛騨高山美術館にも多数のラリック作品があります。
筆者はそのどちらも見学しましたのでラリックを見るのは初めてじゃありません。

しかし今回はラリック専門の美術館です。
ラリックばっかり置いてある美術館ですよね。
凄いじゃないですか。
さらに美術館に付属して実物のオリエント急行の車両が置いてあります。
オリエント急行の中でお茶も飲めるという話です。(予約制ですけどね)
ラリックさんは小生も好きな芸術家ですのでたいへん楽しみな美術館です。

ところで僕たちが現地に到着したのはすでにお昼時でしたので
美術館の入口にあるレストランでランチをいただくことにしました。
肉と魚が少しずつ出てくるランチコースでそれはもう大変美味しかったです。
また行きたくなっちゃいます、じゅるっ。

美術館付属のカフェレストラン LYS。
腹ごしらえのあと奥に進むとクラシックカーが二台おいてあります。
なぜ自動車が、と思っていたら
ボンネットの先頭部分にガラスの装飾があるんですね。
これはカーマスコットと言って
ラジエーターキャップの装飾を施したものだったのだそうです。
お金持ちの間ではこの装飾に贅を尽くすのが自慢だったのだそうです。
いつの世もお金持ちはしょうもないことにお金をかけるものですね。
それが経済を引っ張ってくれるならまたよしというところです。

それはそうと、その飾りは見事なもので車を負かしてしまうほどの存在感です。


このマスコットなんか女性がイナバウアーしているんですよ。
この頃の車はこうしてみると格好いいですけど
今の車に比べたら乗り心地は最悪だったと思われますので
当時の最高級車も今ならおんぼろくるまですね。
そう考えると鼻先に芸術品を乗せて走ることの贅沢さが際だちますね。
ちょっと乗ってみたいかもしれません。

林の中の閑静な美術館。ちょっと不思議な感じです。
クラシックカーの展示を楽しんだあと
さらに奥に進むと林の中にある建物に道が続いています。
あの白い建物こそがラリック美術館の建物なのです。
無駄に敷地が広くてびっくりです。
美術館の中は撮影禁止ですので
写真はありませんがとにかく素晴らしい展示の数々でした。
ちょっと描写力とか表現力とかなさ過ぎなんじゃないの?
館内は一杯のラリック作品が展示されていました。
装飾とか香水瓶とかとにかく一杯展示されていたのでした。

順路の中程にはどう見ても
モネの睡蓮の庭を模したと思われる庭が造ってあって
この庭を眺めながら少し休むことが出来るようになっています。
気持ちの良い空間でありました。

ラリックの世界を十分に堪能したあとは
美術館に到着したときに申し込んでおいた
オリエント急行の車内のお茶の時間です。
ラリック美術館のもう一つの目玉ですね。
この急行列車はヨーロッパ大陸横断鉄道とも言うべき列車で
1883年から2009年までヨーロッパを走っていた高級寝台列車ですね。

車両を運んできて設置してから建物を周りに造ったらしいです。さもありなんですね。
オリエント急行の車両はラリックのガラス装飾がちりばめられていて
その見事な内装をラリック美術館としては見過ごせなくて
そのためわざわざ退役した車両を買い取って美術館に持ってきたのです。
車内では予約しておけば飲み物とケーキをいただくことができます。

予約の時間に車両の近くで待っていると
係の人がチケットをもぎって誘導してくれます。
まず最初はオリエント急行の車両を
日本に運んだときの映像をDVDで見て少しだけお勉強します。
それから順番に車両に乗り込みます。
それぞれのテーブルに案内されて改めて辺りを見回します。
驚いたのは室内の内装の保存の良さです。
ほとんど傷んでいないのです。
実際に使われていたときのほぼそのままの形で残されていて
昔のヨーロッパのお金持ちが座っていた当時のままの椅子に座れます。

こんな感じで紅茶を飲みながら列車の旅を楽しんだのですね。
しばし美味しい紅茶とケーキをいただいてリッチな気分を味わいます。
考えてみれば世が世ならばこの車両にはいることもあり得なかったです。
お茶のあとには車両内部の装飾などについてお話を聞くことができます。

贅沢なティータイムを楽しんだあとはミュージアムショップに立ち寄って
ビアグラスなどを買い込んで帰りのバスを待ちました。
この頃から激しい雨が降ってきておまけに高速道路は大渋滞でありまして
やっとの思いで家に帰り着いたのでありました。
苦あれば楽ありなのでありました。
いや使いかた、ちょっと違うでしょ。

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