弥生美術館



2007年02月12日


弥生美術館
東京都美術館で「オルセー美術館展」をやっていると聞いて
連休の機会に行ってみることにしました。
連休ですから朝寝をして朝食もゆっくり食べて
のんびりと美術館に出かけたわけです。
優雅ですねえ。
でもそれは大きな間違いでした。
上野の駅は連休効果でいつにも増しての大混雑でありまして
これでは美術館の券売所は混んでいるに相違ないから
駅の中で券を買ってしまおうと考えて
駅舎内の展覧会券売り場に行ってみたわけですね。
そうしたらそこの売り場に「オルセー美術館展」混雑のため
入場一時間待ちと書いてあるではありませんか。
僕たちはオルセー美術館展みたいけど一時間待ってまで見たくありません。
4月8日までやっているわけですからまだあと二ヶ月もあるじゃないですか。
それで僕たちはこれを見るのをあきらめて
上野の町を徘徊して今日を楽しもうということにしました。

駅を出てすぐのところで「めぐりんバス」を見かけました。

いつかは乗ってみたいめぐりんバス
前から一度乗ってみたいと思っていましたので
近づいてみましたらこれが大混雑でしてとうてい楽しめそうもありません。
かわいらしいバスも車内はギュウギュウでは頂けませんですね。

バスに乗るのをあきらめて振り返ると上野グリーンサロンという大きなレストランがあります。

どこか宮殿風の上野グリーンサロン
異常に広い庭先に惹かれてふらふらと迷い込んでみました。
店内だけでなく屋外のテーブルにも家族連れやカップルであふれています。
食事をしている人もしていない人もテーブルについていて
屋外は自由に使えるようです。
テーブルに座れない人は縁石に座っていてその辺はやっぱり上野でした。

その隣の西洋美術館も前庭はアクセス自由です。
この庭にはロダンの「考える人」「地獄の門」などきわめて有名な作品が
惜しげもなく展示されている点がすばらしいです。
僕たちはいつでも自由に無料で「考える人」を見ることが出来るのです。

ロダンの「考える人」。本物ですよ!すごいことです

手元の小冊子の上野界隈の地図で弥生美術館の文字を見つけて
見ると隣には「竹久夢二美術館」もあるようですので
そこまで歩いてみることにしました。
この界隈は何度か歩いていますので何となく土地勘がありますが
やっぱり地図を見ながらでないと迷ってしまいます。
それぞれの位置関係がつかめていないのでしばらく歩くと
「え?ここに出てきたのか!」と驚くこともしばしばです。
これでは迷って当たり前ですね。

まずは科学博物館の前を通って東京国立博物館(東博)の正面まで行きます。
科学博物館の前には小中学生とその親で長蛇の列が出来ていました。
お目当ては今やっている「ミイラと古代エジプト展」です。
係のお兄さんが声をからして列の最後尾の案内をしていました。
数年前ならあの列にいたであろう自分たちを思い出しながら
その場を通り過ぎたのでした。
もちろんその手の展覧会には今も興味がありますが
子供が成長した今となっては列に並んでまでは行きたくありません。
オルセー美術館展でさえ並ばないくらいですからね。
ちなみに「ミイラと古代エジプト展」は2月18日までだそうです。
もうじき終わりですね。

東博の前を通り過ぎるとまもなく東京藝術大学にさしかかります。
道路に面して藝大アートプラザというお店があって
藝大関連の本や小物が購入できます。

静かな藝大アートプラザ。これが結構おもしろいのです

藝大は道を挟んで美術学部と音楽学部があるようで
道路の向こうに音楽学部の厳めしい正門がありました。

この門の向こうにたくさんの音楽の才能があるわけですね。門のこっちにもありますけどね

ここからさらに歩いて東大の弥生門に向かいます。
弥生美術館はどうやら弥生門の前にあるようです。
途中「弥生式土器発掘ゆかりの地」の石碑を見ました。

弥生式土器の名はこの弥生の地から発掘されたところから
付けられた名ですが
その前の時代の縄文式土器の名が体を表しているのに比べると
いささか不思議な感慨を覚えます。
すべすべ式土器とか言ってくれれば分かりやすかったのに。

その弥生の地にある弥生門も
藝大の門に負けずと厳めしかったです。

古びていてかつ厳めしい弥生門
昔の大学の門ですからね、仕方ないですね。
その向かい側に目指す弥生美術館はありました。

いい味出してます弥生美術館
入り口はすいているように見えますが中に入ってみると意外に混雑していて
弥生美術館もまた連休効果のようです。
僕たちまで来るくらいですからね。

弥生美術館では現在「挿絵画家 志村立美展」を開催中でありまして
なかなか見応えがある展覧会を催しているのでありました。
志村立美氏は戦前戦後にわたって活躍した挿絵画家の巨匠です。
多くの雑誌に挿絵を描き続けてその仕事量は膨大です。
展示された作品の中に電車内でのスケッチなどもおいてあって
氏の優れたデッサン力に舌を巻きました。
画力は半ば才能なのだと感じ入りました。

隣の「竹久夢二美術館」とは内部でつながっておりまして
二階で順路のように移動できます。
竹久夢二は知らない人がいないくらいのビックネームですが
それは彼のデッサン力によるものではなくて
彼独自の世界に人々が魅せられたためと思われます。
あの気だるい不思議な魅力は今も見る人を引き込みます。
いったい何なんでしょう。

美術館を出て今度は地下鉄丸ノ内線本郷三丁目駅まで歩きました。
疲れて駅近くの「オ・デリス・ド・本郷」というカフェで
コーヒーを飲んで一休みしたのでありました。

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